科学的根拠のある子育て・育児

生活習慣と便秘症はどのくらい関連しているのか?[台湾編]

便秘のお子さんは、そうでないお子さんと比較して、異なる点がいくつかあるのは昔から知られています。例えば、

  •  野菜や果物の摂取量が少ない
  •  水分の摂取量が少ない

などがあげられます。

今回は、台湾から報告された研究をご紹介します。

マミー
マミー
便秘のある小児の特徴ってなんですか?

ユーキ先生
ユーキ先生
色々と論文が出ているようです。

Dr.KID
Dr.KID
一緒に読んでみましょう。

ポイント

  •  小児の慢性便秘を対象に行われた研究
  •  飲水量が少ないほど、便秘の有病率は高い傾向にあった
  •  しかし、水分摂取量を増やせば便秘が改善するかはこの研究ではわからない

   台湾からの報告です。

生活習慣と便秘症はどのくらい関連しているのか?[台湾編]

研究の背景/目的

本研究の目的は、台湾の小児における便秘の有病率(排便回数が週3回以下と定義)を推定し、野菜、果物、水分の摂取量との関連性を調べること、座位行動に費やした時間、身体活動に費やした時間との関連性を調べることであった。

研究の方法

本研究では、アンケート調査を用いた。研究参加者は7~12年生の14,626人の青年であった。

身体活動は「International Physical Activity Questionnaire-Youth Show Card Version」を用いて測定した。

静的活動に費やされた時間には、勉強、読書、乗り物に座ること、スクリーンタイムが含まれた。

水分、果物、野菜の消費量は、参加者に過去 7 日間の各種類の食品の平均消費量を記述するよう求めることで測定された。

Dr.KID
Dr.KID
Nは結構大きいですね。

研究の結果

週3回未満の排便頻度の有病率は9.3%であった。

多変量ロジスティック回帰分析では、

  • 女性(オッズ比(OR)=2.2)
  • 健康状態の悪化(OR=1.3)
  • 過体重・肥満ではない(OR=0.7)
  • 座り仕事に費やす時間が多い(OR=1.0)
  • 水分摂取量が少ない(1.8L/日未満、OR = 1.2)
  • 果物摂取量が少ない(1つ未満、OR = 1.6)
  • 野菜摂取量が少ない(1部位または100g未満、OR = 1.4)
  • 全粒粉製品の摂取量が少ない(OR = 1.2)

といった独立した関連性が認められた。

結論

(便秘の有病率の割合の指標として)排便頻度が少ない割合は、台湾の青年に高かった。

座位行動を減らし、水分、野菜、果物、全粒粉製品の摂取量を増やすことは、体格や健康状態に関係なく、思春期の青少年の間で、便秘の予防と管理に役立つ可能性がある。

考察と感想

香港のとある小学校の小児(8〜10歳)が対象だったようです。

沢山データがあったので、水分のところだけ表にまとめてみました:

水分摂取量で便秘の有病率を並べると、以下のようなデータだったようです:

水分摂取量 N 便秘の割合
<600 1313 15.8%
600-1200 3976 11.0%
1200-1800 4808 8.4%
1800-2400 2590 6.8%
2400-3000 957 6.3%
> 3000 977 6.7%

 

Dr.KID
Dr.KID
確かに、飲水量が少ない小児の方が便秘の割合が高いようにも見えますが。

1時点での調査ですので、「便秘のため水分が摂取しづらい」のか「水分を摂取しないから便秘になったのか」ははっきりとはわからないです。

まとめ

今回の研究は、台湾において、小児の便秘と特徴を比較した研究です。

水分摂取量が少ないほど、便秘となる小児は多い傾向にあったようです。

これらの因果に関しては、別の研究が必要と思います。

 

 

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Dr.KID
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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。