アレルギー

小児の喘息発作時にデキサメタゾンとプレドニゾロンどちらがよいか?

気管支喘息は空気の通り道が過敏になる疾患で、かぜをひいたり、季節の変わり目などに増悪します。

このことを気管支喘息発作といいます。

喘息発作になると、息苦しい、呼吸がしづらい、咳がひどい、ヒューヒュー・ゼーゼーと呼吸の音が聞こえることがあります。

喘息発作は小児科外来受診の5%程度、入院患者の15%程度を占めています。

▪️ 喘息発作の治療

喘息発作を起こした場合、気管支という空気の通り道の一部が細くなるため、息がしづらくなります。

治療は

  • 気管支拡張薬の吸入
  • ステロイドの内服 or 点滴

の2種類がメインです。

▪️ ステロイドについて

ステロイドもいくつか種類がありますが、小児科外来でよく使用されるのは

  • プレドニゾロン
  • デキサメタゾン

の2種類が多いでしょう。

▪️ プレドニゾロンの特徴

プレドニゾロンは最もよく使用されるステロイドで、薬の半減期(薬の効果が半分になるまでの期間)は12〜36時間程度といわれています。

プレドニゾロンを使用する場合は、標準的には 1日2〜3回の内服を5日ほど内服してもらうことが多いです。

しかし、小児に薬を飲ませるのは常に大変で、5日間を確実に飲ませるのが困難なケースも多々あります。

▪️ デキサメタゾンの特徴

デキサメタゾンは半減期が長く、36〜72時間といわれています。
このため、2回の内服で治療を完結できる可能性があります。

内服が不確実な小児では、内服回数を減らせる薬にアドバンテージがあるかもしれません。

今回の研究はこの2剤(プレドニゾロンとデキサメタゾン)を比較しています。

研究の方法

スペインで喘息発作を起こした12ヶ月〜14歳の小児を対象に、ランダム化比較試験が行われました。

ランダム化比較試験は、治療を無作為に割り当てることで、治療群でのばらつきを減らす研究手法です。

今回は;

  1. デキサメタゾン 0.6 mg/kg/dose を2回
  2. プレドニゾロン 1〜1.5 mg/kg/dose を1日2回 5日間

の2つの治療を比較しています。

比較には非劣勢検定を行なっています(著者らの検定の仕方に問題がありますが、(長くなってしまうため)今回は省略させていただきます)

▪️ 治療のアウトカム 

治療のアウトカムは;

  • 1週間後の喘息の症状
  • 生活の質(QOL)
  • 入院率
  • 救急外来への再受診
  • 嘔吐
  • 治療へのアドヒアランス(遵守率)

などをみています。

研究結果と考察

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こちらが主要アウトカムの結果になります。

7日後の喘息発作の症状は、デキサメタゾン群もプレドニゾン群も統計学的に有意な差はありませんでした。

▪️ 入院率、ER受診率などに有意差なし

デキサメサゾン群(D)とプレドニゾロン群(P)を比較して

  • 入院率:23.9% (D) vs. 21.7% (P)
  • ER再受診率:4.6% (D) vs. 3.3% (P)

でした。この2つの群で統計学的な有意差はありません。

▪️ 治療のアドヒアランス(遵守率)はデキサメタゾン群のほうが高い

そのほか、

  • 嘔吐率:2.1% (D) vs. 4.4% (P)
  • 治療の遵守率:99.3% (D) vs. 96% (P)

という結果でした。

遵守率については、デキサメタゾン群のほうが統計学的に有意に高かったです。

デキサメタゾンの場合は2回投与、プレドニゾロンの場合は10回投与が必要なため、前者のほうが飲ませる回数が少なく、保護者への負担は少ないのかもしれません。

まとめ

デキサメタゾンを使用しても、プレドニゾロンと同等の治療効果が得られます。

デキサメタゾンのほうが、治療回数は少なくて済むため、保護者への負担は少なく済むかもしれません。

 

▪️ 関連記事:気管支喘息について 

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