科学的根拠

エキナセアは小児のかぜに効果があるのか?副作用は?[ハーブ]

エキナセアは、かぜ症状(急性上気道感染症の症状)をはじめとする、様々な状態において、治療薬としてよく使用されているようです。

例えば、アメリカでの売上だかは3億ドルとも言われているようです。

エキナセアが風邪などに有効な詳細なメカニズムは不明のようですが、一般的に免疫調整作用があると言われ、好中球やマクロファージの貪食を活性化させるようです。

成人では、「かぜ症状の改善にエキナセアが有効かもしれない」というRCTがあるようですが、小児においては有効性が検討された研究はなく、今回、行われたようです。

created by Rinker
DHC(ディー・エイチ・シー)
¥816
(2021/01/22 11:34:43時点 Amazon調べ-詳細)

(推奨ではありません)

 

マミー
マミー
かぜにエキナセアが効くって本当ですか?

ユーキ先生
ユーキ先生
成人のいくつかの研究では、有効であったと発表されています。

Dr.KID
Dr.KID
小児においても研究結果があるようなので、一緒に見てみましょう。

 

ポイント

  •  小児のかぜ症状にエキナセアが有効かを検討したRCT
  •  エキナセアは子供のかぜ症状に有効ではなかった
  •  副作用のリスクが軽度であるが上昇していた
参考文献

Taylor JA, Weber W, Standish L, Quinn H, Goesling J, McGann M, Calabrese C. Efficacy and safety of echinacea in treating upper respiratory tract infections in children: a randomized controlled trial. JAMA. 2003 Dec 3;290(21):2824-30.

   インフルエンザでは有効であったとする研究もあるようです

エキナセアは小児のかぜに効果があるのか?副作用は?[ハーブ]

研究の背景

エキナセアは、成人において、かぜの治療に広く使用されているハーブ療法である。
しかし, 小児のかぜの治療として、エキナシアの有効性と安全性に関するデータはほとんどない。

そこで、エキナセア(Echinacea purpurea)が、小児のかぜ症状の持続期間や重症度に対して有効であるか検討し, さらに安全性を評価した。

研究の方法

2000~2002年の4カ月間において、地域の診療所のネットワークを通じて対象者を募集し、二重盲検ランダム化プラセボ対照試験が行われた。

治療

対象者は、

  • エキナセア
  • プラセボ

のいずれかに無作為に割り付けられ、4カ月間に最大3回のかぜ症状で投与Iが実施された。
薬の投与は症状発現時に開始し、最長10日間継続した。

アウトカム

主な評価項目は、

  • 症状
  • 有害事象

の持続期間および重症度であった。

副次評価項目には、

  • 症状の重症度
  • 日数
  • 発熱日数
  • 親による症状の重症度の総合評価

が含まれた。

Dr.KID
Dr.KID
小児のかぜに、エキナセア or プラセボを投与して、経過を比較したのですね。

研究の結果

合計で707回のかぜのエピソードが407人の子供であり、337人はエキナセアで治療され、370人はプラセボで治療された。
​かぜ症状なしで研究期間を終了した小児は79人であった。

かぜ症状の期間の中央値は9日(95%信頼区間、8~10日)で、​エキナセア投与群とプラセボ投与群との間では、ほとんど差はなかった。​

かぜ症状の重症度の総合評価も治療グループの間で差がなかった(中央値33)。

さらに、

  • ​症状の重症度
  • 症状のピークの日数(エキナセア群1.60、プラセボ群1.64)
  • 発熱日数(エキナセア群0.81vsプラセボ群0.64)
  • URIの重症度の親の全体的評価

に関して、2グループでほとんど差はなかった。​

全体として、2グループ間で有害事象の発現割合に差は認められなかったが、発疹はエキナセアで治療されたURIの7.1%、プラセボで治療されたURIの2.7%で生じた。

結論

本研究で投与したエキナセア(Echinacea purpurea)は, 2歳〜11歳の小児におけるかぜ症状の治療に有効ではなく, 使用した場合に発疹のリスク増加と関連していた。

考察と感想

エキナセアはかぜやインフルエンザの予防や初期症状の治療として、古くから行われていた方法のようです。

今回の研究では、この有効性を検討していますが、少なくとも2〜11歳の小児においては、かぜ症状の期間は短縮せず、むしろ発疹のリスクが上昇するかもしれない、という結果でした。

  エキナセア プラセボ
症状の日数 9
(8-10)
9
(8-10)
発熱の日数 0.81
(1.5)
0.64
(1.16)
親の評価    
 軽い 46.5% 46.3%
 中等度 38.9% 42.8%
 重度 14.6% 10.9%

副作用のデータは以下の通りで、エキナセアを使用した方が多い傾向です:

  エキナセア プラセボ
副作用あり 45.1% 39.5%
下痢 11.3% 9.2%
腹痛 15.1% 11.1%
傾眠 11.3% 9.7%
過活動 8.9% 6.2%
発疹 7.1% 2.7%
頭痛 9.8% 6.5%
かゆみ 3.9% 1.9%

 

《薬草であるエキナセアというハーブを使って、免疫力を高め、かぜ予防をしていく》などと謳い文句にしているようですが、今回の結果ですと、かぜの初期症状に使用しても効果なしでした。

Dr.KID
Dr.KID
このデータを見てしまうと、小児にはオススメできないですね…

まとめ

 2歳〜11歳の小児において、エキナセア(Echinacea purpurea)は,かぜ症状の治療に有効か検討したランダム化比較試験です。

残念ながら、エキナセアはかぜの症状に対して有効性は示唆されず、さらに副作用(特に発疹)のリスク増加と関連していた。

 

 

小児で使用される咳止めのエビデンスをまとめたnoteもあります。

 

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2021/01/22 07:11:29時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

 

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

 

 

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

 

ABOUT ME
Dr-KID
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。