ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記〜

突発性発疹について解説します

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突発性発疹の特徴

突発性発疹は乳児など、2歳未満の小児に起こりやすいです。
発熱が3日〜5日くらい持続し、解熱前後のタイミングで発疹が全身に出現するのが特徴です。

発疹の出る順序は「体幹 → 手足→顔」のことが多いです。
淡い赤色の小さな斑点で、数日間かけて徐々に広がりながら、体中に出現することが多いです。

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■ 発疹以外の症状について

突発性発疹は、下痢・軟便など軽い消化器症状が出ることがあります。
一方、咳・鼻水といった風邪症状は出ないことが多いです。

一番注意が必要なのは、熱性痙攣(けいれん)でしょう。
非常に稀ですが、脳炎や肝炎、血小板減少症などを起こすことがあります。

突発性発疹の原因

突発性発疹症はウイルス感染によって起こります:
への感染が原因です。

■ 突発性発疹は2回起こることも

原因ウイルスはHHV-6とHHV7の2種類あるため,突発性発疹は"理論上"2回起こることがあります。
『これは2回目の突発ですね』
と小児科で言われる方もいるでしょう。

■ 突発性発疹にならない子供もいますが...

突発性発疹に2回かかる小児がいる一方で、原因ウイルスであるHHV-6やHHV7に感染しても、全く症状がでない場合もあります。
このことを「不顕性感染」といいます。
不顕性感染では、気づかないうちにウイルスに感染して、症状が出ず、体の免疫細胞がウイルスを退治した状態です。
『私の子どもは、突発にかかったことがない』
という保護者の方は、おそらく「不顕性感染」だったのでしょう。

■ 突発性発疹が起こりやすいのは

突発性発疹は3歳までに起きることが多いです。
感染経路は、
家族 (父母・兄弟・姉妹)や保育園の児童の唾液を介して感染することが多いです。
原因ウイルス(HHV-6やHHV-7)は健常な成人の唾液から検出されているため、何の症状もない大人から移ることもあるのです。
3歳までに突発性発疹になりやすいと説明しましたが、厳密には生後6ヶ月以降&3歳未満での発症が多いです。
生後6ヶ月以降は、母からの免疫(移行抗体)が消失するため、突発性発疹のウイルスにかかりやすくなるのです。
大体の目安ですが:
  • 1歳までに60%〜90%
  • 3歳までに100%
 がHHV-6やHHV-7に感染すると報告されています。

突発性発疹の診断

突発性発疹は、基本的に臨床的に診断されます。
つまり、病歴・皮膚の性状を含めて、小児科医が入念に診察し、最終的に診断をします。
特徴的な皮膚の所見と経過ですので、診断に迷うことはそれほど多くありません。
確定診断に特別な検査は不要です。

病初期に『永山斑』と言われる口腔内の所見を認めることがあります。
口蓋垂の根元の両側に認められる粟粒大の紅色隆起です。
皮膚の発疹が出るまえに「永山斑」が見えることがあり、
『ひょっとすると、数日以内に発疹が出るかも』
と予言をして、後日、本当に発疹が出てきて、保護者の方に驚かれることもあります。

■ 臨床診断以外の診断方法について

血液中のウイルスを同定すればいので、ウイルスPCR(遺伝子増幅検査)という手法で検出できます。
ですが、このPCRという検査は限られた施設でしか行えなません。

仮にPCRを使って診断を正確にしても、突発性発疹の特効薬を使用するケースは通常はないため、精査の価値は乏しいと考えています。
また、PCR検査は、保険適応はなく、病院あるいは保護者が自費で検査費用を負担する必要がでます。

突発性発疹の治療法およに対処法

突発性発疹は、特別な治療はいりません。
なぜなら、突発性発疹はウイルス感染症で、合併症を起こす可能性の低い予後良好な疾患だからです。
基本的に、発熱があれば解熱剤を使用するなど、対症療法だけで様子をみます。 
突発性発疹症の抗ウイルス療法はありますが、この薬は免疫機能の弱い子供など、非常に特殊な症例でしか使用しません。

■ 脱水・熱性痙攣に気をつけましょう

発熱が持続する場合、脱水になりやすいです。
ミルク・母乳・水分の摂取がしっかりできているか注意しましょう。
熱性痙攣も起こりやすいです。
痙攣を起こしてしまったら、早めに医療機関へ受診しましょう。