患者教育

小児の便秘について②:便秘の原因、便秘になりやすい環境について

前回は『どこから便秘というのか?』というテーマについて解説してきました。

 

便秘の境界線はあいまいですが、大まかに

  • 普段より排便の回数が減った
  • 排便に伴う苦痛・痛みがある

がよい指標になると説明しました。

今回は、こどもの便秘の原因と便秘になりやすい環境について説明していこうと思います。

なぜこどもが便秘になるのか?

こどもが便秘になる理由は様々ですが、大きく3つに分けられると考えています:

  1. 排便時に痛みや苦痛がある
  2. 慣れない環境
  3. 神経や肛門の病気がある

の3つをざっくりと押さえておけば良いと思います。

1. 排便時の痛み・苦痛について

排便時の痛みの原因で多いのは、いわゆる「切れ痔」です。

大きな便を出した際に肛門が切れてしまい、以降、排便時に痛みを伴う場合があります。

このため、排便を無理に避けようとしてしまい、結果として便が溜まり、便秘となります。

2. 慣れない環境について

こどもは普段と異なる環境に入ると便をしなくなることがあります。

例えば、旅行先で全然排便しなかった、というのは経験されている保護者の方々も多いのではないでしょうか?

大人ではなかなか考えられませんが、遊びに夢中でトイレに行くのを忘れてしまうこともあります。

あるいは、初めての学校生活で『トイレに行くのが恥ずかしい』と考えてしまう子供も多くいます。

3. 基礎疾患がある場合について

便秘の影に病気が隠れているケースもあります。
ですが、このようなケースは全体の5%未満といわれており、決して多くはありませんので、過剰に心配されなくて良いでしょう。

例えば、ヒルシュスプルング病があります。

ヒルシュスプルング病は、腸の神経の発達異常のため、便が上手に出せなくなることがあります。

他の病気として、肛門の形成異常や、脊髄の異常で便秘になっていることもあります。

これらの疾患は、問診と身体診察である程度は予測することができます。

便秘と発達について 〜便秘になりやすい時期を知りましょう〜

こどもが便秘になりやすい時期は3回あると言われています;

  1. 離乳食を開始した時
  2. トイレトレーニングを開始した時
  3. 学校生活を開始した時

です。

便秘になりやすいハイリスクの時期を事前に知っておくことで、便秘の予防をする、早めに発見できる、そして早めの対処ができることがあります。

1. 離乳食を開始した時

母乳やミルクだけで便秘になるケースはあまり多くはありません。

特に完全母乳のほうが便秘になりにくいと言われています。

しかし、離乳食を開始すると、腸は固形物の対処に慣れていないため、便秘になってしまうことがあります。

2. トイレトレーニングを開始した時

トイレトレーニングを開始した時も便秘になりたすい時期です。

こちらは、どちらかというと心理的な要素が大きいです。

例えば、まだ子供がトイレトレーニングを始める準備ができていない段階で、無理やりトイレトレーニングを開始すると、トイレや排尿・排便に対して心理的な圧迫を感じ、やがて便秘となるケースです。

特に、以前に切れ痔などのため排便時に痛みを感じたことがあるような小児は、無理なトイレトレーニングで便秘を発症してしまうことがあります。

 3. 学校生活を開始した時

学校生活を開始した時も便秘になりやすいです。あるいは、夏休みなど長期休暇の後に起こることもあります。

自宅では好きな時に、慣れた環境で排便できていたのが、慣れない環境での排便になるため、行きたがらないことがあります。

また、こども側が、排便をしないことで起こりうる問題を理解できていないケースもあります。

さらに、学校で排便することを恥ずかしがっていることもあります。

このような場合は解決策は患者さんにより様々です。

こどもに排便することの重要性を説明することもありますし、学校で便をすることは恥ずかしくないことを理解してもらうこともあります。

学校側で問題児が排便した生徒を卑下する行為を行なっている場合もあり、このような時は学校側に相談を持ちかけたほうが良いケースもあります。

まとめ

こどもの便秘の原因は様々であることを説明してきました。

便秘を起こりやすい時期「離乳食開始・トイレトレーニング開始・学校生活開始」を把握しておくと、こどもの変化に早く気づけることがあります。

次回は、便秘にならないための予防策と便秘の治療について説明していきます。

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