小児科

1歳未満の乳児(赤ちゃん)の発熱や咳の注意点と相談先について

1歳未満の赤ちゃん(乳児)の発熱や咳について知りたい保護者の方々へ

  •  「赤ちゃんが咳をしているけれども大丈夫かな?」
  • 「急に熱が出たけれども受診した方が良いですか?」

など、赤ちゃんの急な咳や発熱の知識を知りたい方は多いと思います。

  • 「休日・夜間のため受診前に相談できるところはありますか?」

と、急な受診をどうしたら良いか、事前に知っておきたいケースも多々あるでしょう。

そこで、本記事では下記の内容を解説します。

本記事の内容

  1. かかりつけ医を持ちましょう
  2. 急な症状で困ったら
  3. 熱について
  4. 咳について

これらの内容を、小児科医としての視点から、できるだけ簡潔に説明していきます。

かかりつけの小児科を決めましょう

特にお子さんが小さい頃は、かかりつけ医の役割は非常に大きいです。

まず、育児をしていると「これってどうなんだろう?」という様々な疑問が湧いてきます。また、予防接種や健診などで、年に何度も小児科に行くことになるとと思います。

そんな時に、気軽に相談できるかかりつけ医がいれば頼もしいでしょう。

さらに、ほぼ全ての赤ちゃんは、成長の過程のどこかで

  • 熱が出る
  • 咳・鼻汁が出る

といった経験をします。

そんなときは、健診や予防接種でかかりつけ医を決めておき、色々と相談をしてみるとよいでしょう。

どこの小児科が良いですか?

結論から言うとケースバイケースですが、まずはご自宅近くでアクセスのしやすい小児科から選ぶとよいと思います。

何度も受診するので、あまり遠すぎない方がお子さんも保護者にとってもストレスは少ないでしょう。
近所に複数の小児科がある場合は、評判や先生との相性で決めると良いでしょう。

小児科医も様々なキャラクターの先生がいますので、「この先生に長くみてほしい」と思える方が見つかると良いなと思います。
逆に、最初に受診して似て、「なんか合わない」と思ったら、次回からは別の医療機関に受診してみても良いでしょう。

かかりつけ医登録制度って知っていますか?

2016年4月から、かかりつけ医の登録制度が始まっています。

よくかかる診療所にかかりつけ医として登録することで、かかりつけの医師はインセンティブ(プラスの診療報酬)をもらえる反面、患者さんを継続的にみていく義務が生じます。

もし、受診先の小児科が登録制度を採用していたら、上手く利用されると良いと思います。

 

急な病気で困ったら

急な病気で困ったら、まずはかかりつけ医にご相談してみましょう。

また、休日・夜間などにあまりに急な病気で、どのように対処したらよいか分からない場合は、電話での相談も可能です。

具体的には、『#8000』に電話をすると、お住まいの都道府県の相談窓口に自動的に転送され、小児科医や看護師から症状に応じた適切な対処法や、受診する病院などのアドバイスを受けることができます。

さて、ここからは赤ちゃんの発熱や咳について簡単に説明していきます。
体が小さく、免疫能が未熟な赤ちゃんですと、時に病気の進行が早いことがあります。

完璧でなくでも全然大丈夫ですので、病気の知識をある程度、頭に入れておくことは重要と考えています。 

熱について

小児科外来では、『熱がでました』と受診される方を沢山みています。

発熱は最もわかりやすい病気のサインですね。

 『熱恐怖症』という言葉もあるくらいでして、発熱を必要以上に恐る方や、小児科医すらいます。

過去の研究結果から、熱の高さだけでは病気の重症度が推測できないことがわかっています。ですので、体温計の温度だけ見て、「39℃だった。どうしよう…」と必要以上に怖がる必要はありません。

大事なのは、お子さんの活気や食欲、睡眠欲や機嫌などの全身状態です。

 生後3ヶ月未満の発熱について

とはいえ、生後3ヶ月未満の発熱は小児科医でも恐ろしいです。
小児科医として働いて入れば、何回も冷や汗を書くのが3ヶ月未満の発熱です。

生後3ヶ月未満で発熱したら必ず大きな病院へ受診しましょう 「発熱による受診の目安は、年齢によって違いますか?」 「赤ちゃんが発熱したのですが、どうしたらよいですか?」  など、発...

結論から言うと、3ヶ月未満の発熱はご自宅で経過観察をせず、お早めに受診されてください。

というのも、この時期の発熱は、非常に重篤な感染症が隠れていることがありますので、入院できるくらいの大きな病院へ受診しましょう。

突発性発疹について

生後5−6ヶ月以降の初めての発熱で多いのが、突発性発疹です。
発熱のわりに元気なことが多いのが特徴です。

とはいえ、熱性けいれんを起こしてしまうことがあるので、注意は必要です。

 熱性けいれんについては、下の記事で詳しく説明しています。

けいれんを起こしたら、かならず小児科に受診をしましょう。

教科書的には「5分ほど様子をみて、けいれんが止まらなければ救急車を呼びましょう」と書かれていますが、保護者の方々がみていて、「これは止まらない…」と思った時点で、救急車を呼んでも構いません。

熱性けいれんについて詳しく教えてください熱性けいれんのポイント 熱性けいれんとは、38℃以上の発熱に伴って起こる痙攣です 乳幼児の100人中7-8人は起こします ...

 咳について

咳についてはこちらで詳しく書いています↓↓

咳が出始めても、多少は鼻水があっても、そのほかに症状がなく、元気にしているようでしたら、少し様子をみていてもよいと思います。

受診した方が良い乳児の咳

 受診したほうがよい例として、

  • 急に激しく咳き込み、のどがゼロゼロいっている(異物誤嚥の可能性)
  • 咳で呼吸が苦しそう(喘息、気管支炎、肺炎)

があげられます。

咳など気道(空気の通り道)の症状は、夜中に悪化しやすことがありますので、夜を見越して不安があるようでしたら、日中の診療時間内に小児科に受診してもよいでしょう。

まとめ

今回は、

  • かかりつけ医を持ちましょう
  • 急な病気の相談先は「#8000」
  • 発熱について
  • 咳について

の4点を簡単に説明してきました。

それぞれの詳しい説明もありますので、リンク先を読んでみるとよいでしょう。

次回は、嘔吐・下痢などについて説明していこうと思います。

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。