小児科

【新生児】赤ちゃんの皮膚について【患者相談】

前回、赤ちゃんが生まれてから退院するまでの経過を説明しました。

こちらには、病院で行われる検査や処置を中心に説明しています。

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新生児の肌は生まれてから劇的に変化します。

これは、お母さんのお腹のから外へ出たため、皮膚が環境に適応する必要があるためです。今回は、赤ちゃんの皮膚について、簡単に説明していこうと思います。主に、

  • 皮膚色の変化
  • 落屑
  • 黄疸
  • 蒙古斑
  • 産瘤
  • 頭血腫
  • 大泉門

について解説していきます。 

皮膚の変化について

 皮膚の色について

赤ちゃんは生まれたばかりは赤っぽい色をしています。

時間帯によっては青っぽく見えたり、まだらに見えることがありますが、血液循環が未熟なため、このような減少が起こることがあります。

 新生児落屑(らくせつ)について

生後数日すると、これまで羊水で水分をいっぱい含んでいた皮膚が乾燥し始めます。

その後、1週間くらいで、ボロボロと皮膚が剥がれ落ちることがあります。
このことを「新生児落屑(らくせつ)」といいます。

これは生理的な変化であり、大きな異常ではありませんから、心配はいりません。

 新生児の黄疸について

生後2〜3日ごろから、皮膚や白目が黄色くなってくることがあります。

このことを「新生児黄疸(おうだん)」と呼びます。

 詳しくは上の記事にかかれています。

簡単に説明をすると、新生児黄疸は生理的な減少です。
生後5〜7日くらいに黄疸のピークがきて、生後1週間くらいから徐々に色がひいてくることが多いです。

黄疸が起こる理由は様々ですが、赤血球がこわれ、新しく産生される際に、ビリルビンという物質がでてきます。

大人でも同じような現象は毎日起こっていますが、赤ちゃんの場合は、肝臓が未熟であるために十分に処理できません。
このため、黄疸になってしまうと考えられています。

 蒙古斑(もうこはん)について

背中やお尻にを中心にみられる、薄くて青いあざは「蒙古斑(もうこはん)」といわれます。時に、手足に認めることもあります。

黄色人種にはふつうに見られるあざですので、1歳から大人になる間に自然に消えていきます。

赤ちゃんの頭について

 産瘤(さんりゅう)って何ですか?

赤ちゃんの頭にむくみ(浮腫)ができていることがあります。

これは、赤ちゃんが狭い産道を通るときに、頭が圧迫されてできたのです。
このことを「産瘤(さんりゅう)」と呼びます。

 頭血腫(ずけっしゅ)について

頭にコブのようなものができることもあります。

このことを「頭血腫(ずけっしゅ)」と呼びますが、これは頭の骨と骨膜の間に出血したために起こります。

通常は1〜2ヶ月程度で、次第に次第に小さくなっていきます。
特別な治療は要らないことが、ほとんどです。

 大泉門(だいせんもん)について

頭のてっぺんには、ひし形の隙間があります。このことを「大泉門(だいせんもん)」といいます。
さわると柔らかくて、ペコペコしています。

大体ですが、1歳から1歳半くらいで閉じていきます。

 

まとめ

今回は新生児の皮膚について、いろいろと解説してきました。

次回は、新生児の排泄や体重の変化などを解説していこうと思います。

 

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Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。