小児科

こどもの日焼けについて【原因・症状・治療・受診基準】

 

日焼けについて

長時間にわたり日光を浴びてしまい、紫外線が皮膚を焼いてしまうため、日焼けが起こります。

皮膚にはメラニンという色素があり、日焼けから皮膚をある程度守ってくれています。

しかし、過剰に日光を浴びてしまうと、メラニンが防御してくれる限界量を超えてしまうため、日焼けが起こります。

メラニンの量は個人差があります

メラニンの量は個人差があります。

例えば白人はメラニンの量が少ないため、少量の紫外線を浴びただけでも日焼けしてしまうことがあります。

日焼けしやすい場所について

また、日を浴びる場所によっても日焼けのしやすさは異なります。

例えば、赤道直下や山の上は紫外線が強いため、日焼けしやすいです。

日焼けの原因になる薬もあります

実は日焼けをしやすくなる薬もあります。

例えば

  • 非ステロイド抗炎症薬(NSAID):イブプロフェンなど
  • 一部の抗生剤:キノロン系・テトラサイクリン系
  • 利尿薬:フロセミドやサイアザイド系
  • ソラレン
  • 抗真菌薬:フルコナゾールなど

といった薬は日焼けしやすくなると言われています。

小児ではあまり処方される機会のない薬ではありますが、イブプロフェンは痛み止めとして処方されることがありますし、キノロン系の薬(オゼックス®︎)やテトラサイクリン系の薬(ミノマイシン®︎)などが処方されるケースはあります。

日焼けの頻度と問題点について

1年間で70%の小児が、最低でも1回は日焼けを起こしていると考えられています。

ほとんどの日焼けは重篤なものではありませんが、日焼けをしすぎると;

  • 将来の皮膚ガンの可能性が上がる
  • しわやシミが目立つ(美容的な問題)

といった問題点があります。

昔は「小麦色の肌は健康的」と言われていましたが、現代では少し考え方も変わってきています。

日焼けの症状について

日焼けの症状はいつごろ出て、どのくらいで軽快しますか?

日焼けは日光の紫外線を浴びてすぐに起こるわけではありません。

日光を浴びてから皮膚の症状が出るまでに3〜5時間ほどかかります。

皮膚の症状は症状が出てから12〜24時間後がピークで、3日ほどで軽快することが多いです。

日焼けの症状について

日焼けの症状として多いのは;

  • 皮膚を触ると温かい
  • 皮膚が痛い
  • 皮膚が過敏になっている

などが多いです。日焼けの程度がひどいと、皮膚が腫れたり、水疱ができたりすることすらあります。

日焼けの治療について

日焼けは予防が大事で、一旦、日焼けしてしまった場合は、皮膚の症状を楽にする治療がメインになります。

日差しは避けて、痛み止めは早めに使用する

皮膚の赤みがひくまでは、日差しを浴びるのは避けましょう。

痛み止めは、日焼けによって皮膚の痛みを感じたら早めに飲みましょう。

(早めのほうが効果が大きいという研究があります)

その他にできること

自宅でできることとして、

  • 皮膚を保冷剤などで冷やしてあげる
  • 皮膚に水のスプレーをかける

などで日焼けの症状が和らぐことがあります。

オロナイン軟膏やアロエローションを塗る方もいますが、有効性については、はっきりしていません。

(日焼けした皮膚に悪影響はないと思うので、気休め程度に使用してみてもよいでしょう)

 病院への受診基準はありますか?

ほとんどの日焼けは軽症ですので、受診は不要なことが多いです。

しかし、以下に該当するときは、受診を検討されてもよいでしょう

  • 皮膚の痛みがひどい
  • 皮膚に水疱ができてしまった
  • 日焼けがあり、発熱・頭痛・吐き気を伴う

などです。

その他、体調が悪いようでしたら、お早めに医療機関でご相談ください。

次回は、日焼けの予防策について説明してみようと思います。

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。