ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気・育児〜

続編①:トイレ・トレーニングとオムツが外せる時期について

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f:id:Dr-KID:20180611104349p:plain前回、トイレ・トレーニングについてツイート&記事を投稿したら、かなり反響が大きかったです。

 

 トイレ・トレーニングは保護者の方々も普遍的に悩んでいるテーマではないかと思います。

もう少し様々なデータを詳しく解説できたらと思い、何回かに分けて論文をピックアップしてみようと思います。

 1977年にスイスから出された論文ですが、このトイレ・トレーニング業界では割と有名な論文で、未だによく索引されているそうです。(*著者はアメリカ人(UCLA所属))

1950〜70年代のデータですので、現在とはトイレ・トレーニングに対する考え方や環境は大きく異なりますので、その点は差し引いて読む必要があります。

一方で、トイレ・トレーニングは神経発達の一部と考えると、時間を経ても普遍的に変わらない点もあるのではと思っています。

研究の方法

今回の研究は、

  • 1955年〜1976年に行われ
  • 413人の健康な小児
  • スイスのチューリッヒ在住

を対象に行われました。

▪️ 排便・排尿のコントロールについて

排便・排尿のコントロールは;

  • 0%:全くできず
  • 1〜30%:3回に1回くらいはコントロール
  • 30〜70%:3回に2回くらいはコントロール
  • 70〜95%:たまに失敗する
  • 100%:失敗なし(コントロール完了)

と分類されています。

研究結果と考察

こちらがメインの結果になります。

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数字ばかり並んでいて見づらいかもしれないので、95%以上コントロール可能になったこどもを対象に男女別に描いて見ました。

▪️ 排便のコントロールについて

排便コントロールの100%コントロールできる割合は赤で囲った箇所になります。

こちらをグラフにしてみると、以下のようになります。

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 1〜2歳の間は個人差が大きいですが、2歳で80%、3歳で95%が排便のコントロールが可能になっているのが分かります。

▪️ 日中の排尿コントロールについて

日中の排尿コントロールは緑で囲った箇所になります。グラフにすると以下になります。

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3歳〜4歳で急に日中の排尿がコントロールできるようになるのが分かります。

3歳では20%であった排尿コントロールが、4歳時点でおそよ90%が日中の排尿がでるようになります。

 ▪️ 夜間の排尿コントロールについて

青で囲った箇所が夜間の排尿コントロールになります。

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 日中の排尿コントロールと同じような傾向にあります。

3歳までは2割前後が夜も排尿コントロールできるようになっています。しかし、4歳を越すと、85%くらいが夜間の排尿コントロールが可能になっています。

▪️ 昼も夜も排尿・排便がコントロール可能

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昼も夜も排便・排尿のコントロールが可能になる年齢がこちらです。(ツイッターの記載は、こちらの統計を使用していました)

  • 1歳半:2.8%
  • 2歳:5.4%
  • 3歳:10.9%
  • 4歳:76.6%
  • 5歳:85.5%
  • 6歳:91.3%

となっています。

まとめ

スイスで行われた研究結果をもとに、排便・排尿が完了する時期を説明してきました。

排便がコントロールできるようになってから、日中、そして夜間の排尿がコントロール可能になる傾向にあります。

  • 排便のみコントロール可:2歳で80%、3歳で95%
  • 昼の排尿をコントロール可:3歳で20%、4歳で90%
  • 夜の排尿をコントロール可:3歳で20%弱、4歳で85%

となっています。

排尿のコントロールに関して、3−4歳の間が大きなターニングポイントになっているようです。

4歳でも15%以上のこどもはコントロールが上手くいかないことがありますが、徐々にゆっくりと覚えていくのでしょう。

次回は、簡単な統計学的なモデルを使って、この変化を捉えてみようと思います。

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▪️ 使用したStata解析コード