ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記のブログ〜

乳幼児の嘔吐について②:嘔吐の対処法・治療法について

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前回は乳幼児の嘔吐の原因と受診の目安について解説してきました。

 

今回は、実際に嘔吐してしまったらどうすればいいのかを説明していこうと思います。

嘔吐した後、食事・水分はどうしたら良いですか?

まず、脱水があるか否かで対処法が異なります。

嘔吐も1回だけで落ち着いているようなら、まず脱水はないでしょうし、普段の食事・水分通りでよいと考えています。

最初に水分を与えて、大丈夫そうなら食事を与えるという順序で良いでしょう。

▪️ 乳児の嘔吐時の水分摂取について

1歳未満の乳児の場合、完全母乳か否かで少し対処法が異なります。

1) 母乳栄養の場合

母乳栄養の場合、母乳を続けてもらって構いません。わざわざ経口補水液(アクアライトやOS1など)を購入する必要はありません。

これは、母乳は消化管からの吸収率が良いからです。

母乳を与えてもすぐに吐いてしまう場合、母乳を与える時間を減らして、回数を増やしましょう。

嘔吐後の2〜3時間で嘔吐が治まってくることがあります。このときは、徐々に母乳を与える時間を増やしていくと良いでしょう。

2) ミルクを与えている場合

ミルクを与えている場合、15-30 mlくらいから水分摂取を開始しましょう。

間隔は15〜30分おきくらいで、2−3時間くらいはこれを繰り返すとよいでしょう。

もし嘔吐してしまったら、最低でも30分くらいは間隔をあけると良いでしょう。

水分摂取は経口補水液でも構いません。

 3) いつ受診したらよいか

発熱などなく嘔吐だけで、本人は元気なら様子をみていて良いですが、嘔吐をして24時間しても症状が軽快しない場合は、受診されてもよいと思います。

▪️ 幼児が嘔吐した時の対処法

基本的には乳児への対処法と変わりません。

水分を優先させてもらって、嘔吐しないようなら食事を再開して良いでしょう。

経口補水液などで十分に水分摂取できているなら、無理して食事を食べる必要はありません。

100%果汁のような糖分が多すぎるジュースや、スポーツドリンクは体のミネラルバランスが崩れることがあるため、避けた方がよいかもしれません。

食事は特に制限はなくてもよいですが、脂質の多すぎるものや、糖分の多すぎるものは避けた方がよいでしょう。

白米、脂肪分の少ない肉、ヨーグルト、フルーツなどが無難な食事と思います。

(とはいえ、これらの食品を摂りたがらない場合は、本人の好きな物を食べさせてください)

 

経口補水液と点滴について

経口補水液は口から摂取できて、点滴と同じような成分がとれるように開発された飲料水です。

点滴や経口補水液と聞くと、なにか特別な成分が入っていると誤解されてる方が多いですが、実は中身は、

がメインで、特別なものは何も入っていません。

▪️ 経口補水液を摂取すべきタイミング

経口補水液を使用したほうがいいタイミングは

  • 脱水がある
  • 食事を食べたがらない
  • 嘔吐してしまった
  • 下痢がある

などが最適でしょう。

▪️ 点滴も経口補水液も嘔吐や吐き気は治療できません

経口補水液も点滴も、吐き気や嘔吐といった症状を治すことはできません。

主な役割は体の機能を維持するのに必要な水分・糖分・ミネラルを補給してあげることです。

嘔吐を薬で止めることはできますか?

日本で使用できる制吐剤(ナウゼリンなど)は有効性のはっきりしない、科学的根拠のない薬です。

神経系の副作用もあるため、使用するには慎重になったほうが良いでしょう。

 感染予防もしっかりしましょう

こどもの吐物や排泄物から感染してしまうことは多々あります。

感染予防に最もよいのは手洗いでしょう。

 アルコール消毒のできるジェルもありますので、こちらを使用されても良いでしょう。

手ピカジェル [指定医薬部外品] 300ml

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登園・登校の基準について

 嘔吐した日は、周りの子供にも移してしまうため、無理して登園しないほうがよいでしょう。

目安として、24時間ほど嘔吐せず、食事・水分が摂取できるようになれば、登園しても良いでしょう。