ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記のブログ〜

ADHD(注意欠陥・多動性障害)について解説します

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ADHDについて

ADHDは "Attention Deficit Hyperactivity Disorder" の頭文字をとった略語です。

  • "Attention Deficit"は注意欠損
  • "Hyperactivity"は多動
  • "Disorder"は病気

を意味します。

このためADHDは日本語で"注意欠陥・多動性障害” といいます。

年齢・発達にそぐわない不注意、衝動性、多動性を特徴とする発達障害で、特に日常生活や学習に支障をきたす場合を指します。

▪️ ADHDの特徴について

ADHDの症状は人によって異なりますが、大きく3つに分けられます:

  1.  不注意が目立つ状態
  2.  多動性・衝動性が目立つ状態
  3.  ①と②が混合した状態

の3パターンです。

① 不注意が目立つパターン

不注意が目立つ人の特徴として、

  •  忘れ物が多く、物をなくしやすい
  •  気が散りやすく、集中力が続かない
  •  興味があるものに集中しすぎてしまい、切り替えが難しい
  •  ぼーっとして、話を聞いていないようにみえる
  •  行動が他の子よりワンテンポ送れる
  •  字が乱れる
  •  不器用
  •  片付けられない

があります。

② 多動性・衝動性が目立つパターン

多動性・衝動性が目立つ状態として

  •  落ち着きが無く、授業中に立ち歩く
  •  体を動かすことがやめられない
  •  衝動性が抑えられず、ささいなことで手を出す、大声を出す
  •  乱暴な子、反抗的な子とみられやすい

などが代表的です。

③ ①と②が混合したパターン

  •  不注意と多動性・衝動性の両方の特徴をもつ
  •  忘れ物が多く、物をなくしやすい
  •  落ち着きが無く、じっとしていられない
  •  衝動が抑えられず、順番が守れない、ルールが守れない

などが特徴です。

不注意、多動性、衝動性の表れ方や、その度合いは人によって様々です。

ADHDの治療法について

▪️ しつけの問題ではありません

ADHDには生まれつき、脳の発達に偏りがあるといわれています。

しつけや育て方によって起こるわけではありません。

ですので、保護者の方を責めるのは、見当違いです。

▪️ 専門家のサポートが必要です

ADHDの症状が強く、社会生活を送るのが難しい場合には、専門家のサポートが必要です。
サポートをする際に、それぞれの子供の特徴を理解することが重要です。

指導するときには、その子の特徴から有効と考えられる方法を行います。
漠然としつけを厳しても、症状を改善することはできません。

▪️ 代表的な治療法

治療法には

があります。

▪️ 治療のゴール

治療のゴールは、本人が自分の特性を理解し、自分の行動をコントロールできるようにすることが目標です。

その結果、生きにくさが改善され、友達・社会清潔に受け入れられることを目指します。

「大人が扱いやすい子」にすることが目的ではありませんので、あくまでも苦労している子供の視点に立ってあげてください。

治療法について

● 環境調整

子どもの生活環境から不要な感覚刺激をへらします。
目的に集中しやすいような空間を作ります。

● ペアレント・トレーニング

保護者のためのプログラムです。

ADHDへの理解を深め、家族間の悪循環を断ち切ります。

円滑に日常生活を送ることができるように対処法を手に入れることを目的とします。

● ソーシャルスキル・トレーニング

ADHDの子が集団生活やコミュニュケーション、自己のコントロール、他者認知など、社会生活に必要なスキルを学ぶプログラムです。

● 内服治療

アトモキセチン、メチルフェニデートといった不注意、多動性、衝動性の改善に役立つお薬が使われることもあります。

 

ADHDの子の育て方のコツがわかる本 (健康ライブラリー)

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