小児科

熱性けいれんについて、外来でよくされる質問にお答えします

はじめに

日本の小児の熱性けいれんの罹患率はおよそ8%程度といわれており、小児科外来をしていると比較的よくみる疾患です。

とはいえ、けいれんは、意識を失い、眼球は上転し、手足が小刻みに揺れる発作が起きます。
「このまま死んでしまうのではないかと思った」
と心配になる方が多いです。

Dr.KID
Dr.KID
よく疾患をみている小児科医と、はじめて見る保護者では、感じる恐怖感が異なると思います。

私たち小児科医も目の前でけいれんを起こされると、それなりに焦ります。
ですので、この保護者の心配は当たり前のことですので、ご自身を責めないようにしてください。

Dr.KID
Dr.KID
小児科医も外来で落ち着いているようで、実は、内心それなりに焦ります。

けいれん後に眠っていますが大丈夫ですか?

けいれんが止まったか否かは、一般の方からすると判断が難しいと思います。
医師は、眼の動き、神経学的な所見、手足の筋緊張などを参考にけいれんが止まっているか、継続しているか判断しています。

Dr.KID
Dr.KID
特に初めてのけいれんでは、保護者から見てみかけ上けいれんが止まっていても、一度受診してほしい点がここにあります。小児科医からみたら止まっていないこともありうるのです。

けいれん後は眠ってしまうことが多いです。
医師が外来でしっかりと診察をして「けいれんは止まりましたよ」と判断されたのなら、ひとまず心配ないと思います。

Dr.KID
Dr.KID
けいれん後はしばらく眠っていることもあります。頭の中で嵐が起きた後なので、仕方がない面もあります。

大抵はひと眠りして、目が覚めれば、いつもの状態に戻ります。
熱性けいれん自体は緊急で検査や治療が必要な病気ではありませんので、ご安心ください。

熱性けいれんを起こす原因を教えてください

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Dr.KID
Dr.KID
脳の未熟性により起こると言われています。

特に5歳以下の乳幼児は、重い病気がなくても、発熱するとけいれんを起こしてしまいます。
熱性けいれんは、脳の「未熟性」により起こると考えられています。
発熱という刺激に脳が過剰に反応してしまい、けいれんが起こっているのです。

熱性けいれんは自然に起こらなくなります

熱性けいれんは脳の未熟性と熱に対する過剰反応が原因でした。
逆にいうと、脳が成熟するにつれて、起こらなくなることがほとんどです。

大体ですが、小学校入学前に軽快することがほとんどです。

Dr.KID
Dr.KID
5−6歳を目安に起こらなくなることが多いです。

 

熱性けいれんはどのくらい再発しますか?

熱性けいれんの再発率

熱性けいれんの再発率は、およそ30〜50%くらいです。
逆にいうと、熱性けいれんが1回のみで、以降は再発しないお子さんは50〜70%くらいといえます。

Dr.KID
Dr.KID
外来では、大胆半分くらいのこどもは再発します、とお話することが多いでしょう。

再発するタイミングについて

風邪を引いたときに発熱すると、再発する可能性があります。
インフルエンザでも起こりますので、冬場は予防接種を受けておくことも重要でしょう。

Dr.KID
Dr.KID
インフルエンザワクチンの有効性の低い年に、熱性けいれんの入院率が高かったという報告もあります。。

再発すると発達に悪影響はありますか?

質の高い研究はなく断言はできませんが、一般的に、単純型の熱性けいれんであれば、繰り返しても発達や成長に影響を与える可能性はかなり低いと思います。

Dr.KID
Dr.KID
おそらく発達には影響しないと考えています。

解熱剤を使用すると再発しやすいって聞いたのですが?

解熱剤を使用しても再発する可能性はあがりませんので、発熱で辛そうであれば使用されても構いません。

また、解熱剤で熱性けいれんは予防できませんので、「熱性けいれんを予防したいから」という理由で与えないようにしてください。
あくまで、「発熱で辛そうにしているから」解熱剤を使用するようにしてください。

Dr.KID
Dr.KID
解熱剤で熱性けいれんを予防する可能性を示唆した研究も出ています。

 

再発予防の坐薬について

再発予防の坐薬(ダイアップ・ジアゼパム)はこちらに詳しく書いてありますので、ご参照されてください。

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Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。