ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記〜

母乳はいつまで続けるべきかメリットとデメリットを解説します

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母乳栄養について

一般論ですが、母乳栄養は人工栄養より優れています。
現に世界保健機関 (WHO) から『母乳栄養は途上国の乳児死亡率を改善させる』と報告されました。

 

また、途上国のみでなく、母乳の有効性は、先進国でも再認識されています。

卒乳ってなに?

母乳を終了することを「乳離れ」「断乳」と表現されることがあります。

厳密には、「乳離れ」は、離乳食を始めることをいいます。
また、「断乳」は、保護者の都合で母乳栄養を強制的に終了することをいいます。

■ 卒乳の本当の意味

断乳」とは対称的に「卒乳」という言葉があります。
「卒乳」とは、赤ちゃんが自然に母乳栄養を終了することをいいます。

赤ちゃんにしてみれば、無理に「断乳」させるのではなく、自然と「卒乳」するほうが負担が少ないでしょう。

卒乳の時期はいつでも構わないですよ

卒乳の原則ですが、いつまで母乳を飲んでいても構いません。
昔は「1歳になったら母乳をやめましょう」と指導していた時代もありました。

しかし、現在はこの方針は大きく見直され「母乳は無理にやめる必要はありません」という考え方が一般的です。

現に、WHOやUNICEFでも、母乳保育を2歳まで継続させる活動を行っています。

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■ とはいえ、離乳食は開始しましょう

母乳は1歳以降に続けても大丈夫ですが、栄養面は少し気にする必要があります。
栄養面を考えると、12ヶ月頃までには主たる栄養を離乳食から摂るようにしましょう。

母乳だけでは、赤ちゃんが成長・発達するには栄養価としては十分ではなくなるためです。

■ 1歳以降の母乳は栄養というより、精神発達の支援

生後12ヶ月以降の母乳保育は、栄養価より精神発達を支援する意味合いが大きいです。
母乳を吸うことで、赤ちゃんは安心しますし、母子の絆を深める効果があります。

母乳を続けるメリットについて

母乳を続けることのメリットはいくつかあります;

メリット ① 口の発達によい

母乳を吸うことで、あごの筋肉や舌・のどの協調運動が発達します。
さらに脳の発達を促します。

メリット ② 感染症にかかりにくくなる

1歳をすぎた母乳であっても、免疫物質(IgA抗体)は含まれています。
生後2歳まで母乳を続けることで、乳幼児の感染症のリスクが下がる、と知られています。

保護者が風邪を引いた時にも、母乳中には風邪ウイルスに対する抗体が分泌されており、母乳は休まず飲ませ続けた方がよいでしょう。

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メリット ③ 母乳は脱水・下痢のときに適した栄養

母乳は胃腸での吸収効率がよいため、脱水・下痢など赤ちゃんの体調が悪いときにも安全に効率よく栄養を摂取できます。

メリット ④ 避妊効果が続く(かもしれない)

授乳の刺激が、母の体内でプロラクチンが分泌されるため、避妊効果が続くといわれています(が、避妊を希望する場合は、確実に行いましょう)。

母乳を続ける欠点は本当か!?

母乳を続けるデメリットがいくつか指摘されています。
しかし、いずれも科学的な根拠はありません。

代表的なのは、以下の2つでしょう:

① 赤ちゃんの自立が遅くなる?

これを支持する科学的な根拠は全くありません。

② 母乳が虫歯の原因になる?

これも科学的な根拠はありません。
母乳にはショ糖という虫歯の原因となる物質は含まれていません。

1〜2歳はお菓子などショ糖を含む食物をよくとるようになるので、口腔内の清潔を保ことは重要です。
ですが、母乳は虫歯の原因には必ずしもなりません。

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まとめ 

  • 赤ちゃんが自然と母乳を必要としなくなるのを「卒乳」といいます
  • 母乳は無理に止める必要はありません
  • 母乳を続けるメリットは沢山あります
  • ですが、離乳食の移行も平行しましょう

◎ 6ヶ月過ぎから、徐々に歯がはえてきます。乳歯とはいえ、虫歯のケアはとても重要です。日本では軽視されていますが、歯をフッ素で守ってあげるのは、世界的なスタンダードです。歯磨き粉にフッ素入りのものを使用すれば、虫歯予防になりますよ。

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