未分類

耳垢はとってもらったほうが良いですか?

耳垢(みみあか)のポイント

  • 耳垢は古い表皮、皮脂、ほこりからできます
  • 掃除は月に数回で十分です、無理にとらなくても良いです
  • 耳の穴付近の耳垢をやさしくとってあげましょう

そもそも『耳垢(みみあか)』ってなんですか?

耳垢は;

  • 耳の通り道(外耳道)の古くなった表皮
  • 皮脂からの分泌物
  • 埃(ほこり)

などが混ざって出来ています。

 

『耳垢=不衛生』ではありません

「垢(あか)」と名前がついており、不潔なイメージがあります。
ですが、必ずしも「耳垢=不衛生」ではありません。

耳垢は、酸性でタンパク分解酵素があり、殺菌作用があるのです。
つまり、耳垢には耳にいる細菌の増殖を抑えてくれる効果があります。

Dr.KID
Dr.KID
「垢」と聞くと不潔なイメージかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

湿性耳垢と乾性耳垢

 

耳垢にも2種類あり「ベトベトとした湿性耳垢」と「カサカサした乾性耳垢」があります。

日本人は7割が乾性耳垢

日本人は7割くらいが乾性耳垢です。
耳垢の種類を決める遺伝子は16番染色体にある「ABCC11遺伝子」で、この遺伝子のタイプによって、耳垢の種類が変わります。

地域差もあり、岐阜・京都では乾性耳垢の人が多く、沖縄では湿性耳垢の人が多いと言われています。

Dr.KID
Dr.KID
生まれつきの要素もあります。

耳垢はどのくらいで掃除したらいいですか?

耳垢には外耳道の皮膚や鼓膜を守る働きがあるため、耳掃除は月に数回で充分です。
耳垢は徐々に耳の穴の出口に移動して取りやすくなります。

2〜3週間に1度を目安に、優しく除去しましょう。

綿棒などで優しく取ってあげましょう

乾性耳垢は、綿棒・耳かき、どちらを使ってもよいでしょう。
湿性耳垢であれば、綿棒が取りやすいと思います。

特に、シャンプーやお風呂の後は、耳が潤っているため、耳垢が取りやすいです。

頻回にとると何が問題ですか?

時々、週に3〜4回ほど耳掃除をしているお母さんがいます。

頻回に耳掃除をすると、外耳道の皮膚が痛んで出血してしまうことがあります。
また、耳垢が外に出て来ているのに、かえって奥へ押し込んでしまうことがあります。

外耳道の出口付近をやさしく掃除してあげるだけで十分ですよ。

耳鼻科で耳垢を取ってもらう必要はある?

基本的に耳鼻科に通う必要はありません。
多少は耳垢はあるものですし、必ずしも「耳垢=不潔」ではありません。

耳垢は自然に耳の穴の入り口に出てくるので、出てきた耳垢を除去するので十分です。

f:id:Dr-KID:20170902222956p:plain

耳鼻科に受診したほうがいいケース

耳鼻科で掃除をしてもらう必要があるのは;

  • 耳垢が詰まることで 「耳が聞こえない」
  • 「かさかさ音がする」

など、自覚症状がある時です。

しかし、このような自覚症状は滅多に起こりません。

「耳垢が見えて、不潔だから耳垢を頻繁に取っている」と耳掃除が頻繁になり、耳の皮膚を傷つけ、かえって子供のストレスになりますので注意しましょう。
時々「耳掃除をしていたら耳から出血してしまいました」と受診される方もいます。

Dr.KID
Dr.KID
あまりムキになって取らなくても良いでしょう。

 

◎ 耳垢は綿棒で優しく、耳の入り口にあるもののみを採ってあげればOK!

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。