ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記〜

こどもの胃腸炎について解説します

【スポンサーリンク】


ウイルス性胃腸炎のポイント

  • 急性胃腸炎は、どのウイルスにかかっても治療法は変わりません
  • 腸炎には特効薬はないです
  • 脱水にならないように、適切な水分・塩分・糖分を補給しましょう

f:id:Dr-KID:20170816173849p:plain

急性性胃腸炎の原因

急性胃腸炎は、ウイルス感染が原因のことがほとんどです。
代表的なウイルスは;

などがあります。

f:id:Dr-KID:20170816173955p:plain

急性胃腸炎の症状

腸炎の主な症状は、嘔吐・下痢です。
『お腹が痛い』と腹痛を訴えたり、発熱することもあります。

■ 脱水に注意しましょう

嘔吐・下痢がひどいときは、脱水に注意しましょう。
脱水になると、尿の量が減り、皮膚は乾燥します。
特に気をつけた方がいい症状は、顔色が悪い、手足が冷たい、です

■ 脱水の目安について

  • 下痢の回数や量
  • 嘔吐の回数
  • 1日の水分摂取量
  • 尿の回数や色

といった保護者からの情報と、診察から脱水の判断をしています。
例えば、嘔吐がひどくて1日水分摂取ができていない、尿が半日〜1日以上出ていない、診察時に泣いても涙が出ない、ケースは脱水を強く疑います。

急性胃腸炎の治療法

急性胃腸炎の特効薬はありません。
腸炎の原因となったウイルスは、自分の免疫力で退治できるので、自然に軽快するのをゆっくり待ちます。

■ 脱水に注意しましょう

脱水予防が一番重要で、こまめな水分摂取を心がけましょう。

特に、嘔吐した直後は腸の動きも悪いため、水分や固形物をすぐに与えるのはやめましょう。

少し時間をおいてから、ゆっくりと水分摂取をすすめてみてください。
最初はスプーン1杯(約5 cc)から始め、10〜15分間隔であげるようにしてください。
徐々に量を増やすとよいでしょう。

f:id:Dr-KID:20170816174215p:plain

■ 吐き気どめは、科学的根拠のない治療法です

吐き気止めの坐薬や点滴はありますが、有効性は証明されていません。
また、吐き気止めを過剰に使うと、錐体外路症状といって、筋肉の運動機能に副作用が出ることがあるため、注意が必要です:

 ■ 胃腸炎に抗生剤は不要ですよ

また、ウイルス性の胃腸炎に抗生剤は無効です。
抗生剤は細菌には有効ですが、ウイルスには効きません。
腸炎で抗生剤を処方する医師は『ヤブ医者』と言われても仕方ないでしょう。

 ■ ウイルスの検査は、基本は不要です

ロタウイルスノロウイルスの検査をしてください』

『保育園・幼稚園の先生に、検査をしてくるように言われました』

と受診されることも、しばしばあります。

保護者の方に知ってほしいのは『どんな種類のウイルスにかかっても、治療法は一切かわらない』という点です。
つまり、 何のウイルスに感染したか特定する必要はないのです。

ロタウイルスでもノロウイルスでも治療法は変わらないです。

大事なことは、脱水症状がないかをしっかりと観察し、脱水を予防するために水分摂取をこまめに行うことです。
また、他のお子さんの感染予防に、しっかりと手洗いをし、消毒を行うように心がけることが重要です。

■ 関連記事:ロタウイルス腸炎は予防できます