ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記〜

赤ちゃんのお臍の相談

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1ヶ月健診や3ヶ月健診では、保護者の方から赤ちゃんのお臍について相談されることが多いです。
よくある質問は、大体2つでして:

  • お臍が乾きません
  • お臍が飛び出てます

の2つです。
最初の「臍が乾かない」は「臍肉芽(さいにくげ)」がほとんどです。
2番目の「臍が出ている」は「臍ヘルニア(さいへるにあ)」でしょう。

おへその役割について

 「臍(へそ)の緒」は、医学用語で「臍帯(さいたい)」といいます。
臍帯を通して、赤ちゃんとお母さんは子宮の中で繋がっていました。

この臍帯には、赤ちゃんの血管が走行して、母親から栄養や酸素を受け取り、赤ちゃんの体に運ばれていたのです。

出産後、赤ちゃんは自立して生活をするようになります。
つまり、母乳・ミルクを栄養として摂取し、酸素は呼吸を通して体内に取り込みます。
このため、お母さんとつながっていた臍帯は不要になります。

臍帯は、出産後、助産師や産婦人科医が医療用のクリップで留めて、切断します。
大体1週間くらいで、臍帯は乾いて、きれいに取れます。
そして、最後にみえるのが「お臍」です。

お臍が徐々に盛り上がってくる

臍の緒が乾かないうちに、粘膜が盛り上がってくることがあります。
粘膜ですので、浸出液が出て、お臍はジュクジュクして、液体が少量溜まっていることがあります。
この状態を「臍肉芽(さいにくげ)」といいます。

この「臍肉芽」は、小児科や皮膚科で処置をしています。
肉芽が小さいければ硝酸銀で焼却しますし、肉芽が大きければ医療用の糸で縛ります。
1回の治療で軽快することもありますし、再発してしまう場合もあり、複数回の治療が必要になります。

臍肉芽の処置ができないクリニックもあります。
受診される前に電話でご相談されると、スムーズに治療ができると思います。

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デベソになっています

へそが大きく出っ張って「デベソ」になった状態は、医学的に「臍ヘルニア(さいへるにあ)」といいます。
臍ヘルニアは、お腹の筋肉の間から、腸の一部が飛び出した状態です。
腸が飛び出て大丈夫?と心配されるかもしれませんが、皮膚の下に隠れているので腸が傷つくことは滅多にありません。

■ 臍ヘルニアの特徴

臍ヘルニアを触ると、プニプ二と柔らかく、押すと中に引っ込みます。
泣いたり、怒ったりして、腹圧が強くかかると、デベソが目立ちます。

臍ヘルニアの頻度は、5%〜10%です。
健診をすると10〜20人に1人は臍ヘルニアになっています。
生後3ヶ月までは徐々にヘルニアが大きくなりますが、その後は緩やかに改善していくことが多いでしょう。
これは、赤ちゃんのおへその周りの腹筋が徐々に発達してきて、腸が外に出られなくなるためです。

 

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■ 綿玉の圧迫は有効ですか?

臍ヘルニアの治療として、綿球を臍に当て、テープでの圧迫を指示する医師もいます。
しかし、この綿玉圧迫による治療は、有効性がはっきりしていません。
テープで圧迫することで、赤ちゃんのナイーブな皮膚が痛むこともあり、私個人としてはオススメしません。
自然に治るのをゆっくり待ちましょう、と説明することが多いです。

臍ヘルニアは、自然に軽快することが多いですが、一部のお子さんは残ってしまいます。
目安として、2歳〜4歳になっても綺麗にならない場合、小児外科や小児専門の形成外科に紹介をして、手術適応を判断してもらいます。

番外編:お臍が黒い...

「赤ちゃんの、おへそが黒いです。大丈夫でしょうか...」
とご相談されることもあります。

これは心配いらないことがほとんどです。
へその緒が取れた後は色素沈着するため、おへその皮膚は黒ずみます。

赤ちゃんの皮膚は大人よりかなり早いペースで新しくなります。
黒ずみは、徐々に軽快していきますので、経過をみましょう

 

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