ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記のブログ〜

臨床研究

夜勤をすると乳ガン発症のリスクは上がるのか?

今回はこちらの論文をピックアップしました。 www.ncbi.nlm.nih.gov 「夜勤は乳癌のリスクをあげるのか?」という疑問に答えてくれた論文です。 Google Analyticsによると、当ブログは20〜30代の女性が最も閲覧されており、おそらく。これから子育て、あるい…

研修医の勤務時間に制限を設けるべきか?

今回はアメリカで行われた内科系の研修医の教育プログラムの論文をピックアップしました。 アメリカでは研修医の労働時間は厳格に定められており、 1週間あたりの勤務時間は80時間まで 1シフトあたり30時間を超えてはならない という基準がありました。 こ…

小児の喘息発作時にデキサメタゾンとプレドニゾロンどちらがよいか?

気管支喘息は空気の通り道が過敏になる疾患で、かぜをひいたり、季節の変わり目などに増悪します。 このことを気管支喘息発作といいます。 喘息発作になると、息苦しい、呼吸がしづらい、咳がひどい、ヒューヒュー・ゼーゼーと呼吸の音が聞こえることがあり…

CTで放射線被曝をすると、白血病や脳腫瘍のリスクはどのくらい上がりますか?

今回は2012年にLancetという(有名な)英文医学雑誌に掲載された論文をピックアップしました。 この論文はオープンアクセスですので、どなたでも英文を全文読むことができます。 研究の背景 CTは病気の診断や、重篤な疾患の除外をするために使用されています…

抗ヒスタミン薬は急性中耳炎の治療に使用するメリットがない

過去に抗ヒスタミン薬による副作用を説明してきました: こどものかぜに抗ヒスタミン薬が処方されていることがありますが、中耳炎を予防することもできません。 急性中耳炎はこどもでは非常にありふれた疾患で、抗菌薬を用いて治療されます。 しかし、抗菌薬…

ワクチン後に解熱薬を使っても抗体(免疫)は獲得できるでしょう

▪️ ワクチン摂取後に発熱することがあります ワクチン摂取後に発熱してしまうことがあります。 ほとんどは1日以内に発熱して、熱は長引かないことが多いです。 発熱しやすいワクチンもあり; 肺炎球菌ワクチン インフルエンザワクチン 四種混合ワクチン な…

小児科医の『なにかおかしい?』という第六感は、こどもの重症化を予測しているのかも

▪️ 小児科は第六感が大事 統計学や疫学を生業にしている私がこんなことを言うと、他の小児科医たちに怒られそうですが、小児科医は「第六感」が大事です。 パッと診察室で子供をみて、病歴や診察では特に大きな異常がないけれども、「何か変」と感じることが…

BCGワクチンは肺結核、粟粒結核・髄膜炎の予防に有効

日本では「ハンコ注射」でおなじみのBCGワクチンです。 BCGワクチンは肺結核、粟粒結核、結核性髄膜炎に有効といわれていますが、今回はその有効性を示した論文をピックアップしました。 研究の背景 研究の解析が始められた2009年までにBCGワクチンの有効性…

解熱薬を使用しても熱性けいれんの再発は予防できない

『熱性けいれんのある子供に、解熱剤を使用しないでください。熱が上下するので、けいれんが再発しやすくなります』 『熱性けいれんの子供に解熱剤を使用すれば、熱が下がるので、けいれんの再発予防になります』 といった間違った知識の下に指導がされてい…

ジアゼパム(ダイアップ)は熱性けいれんの入院患者で使用すべきか?

今回はこちらの論文をピックアップしました。 2009年に国内の施設でされた研究です。 熱性けいれんで入院した患者に、ジアゼパム(ダイアップ)を使用すべきか、という問題に答えています。 研究の背景 熱性けいれんの治療方法は小児科医でもジレンマがいく…

テオフィリンを内服していると、熱性けいれんの持続時間は長い傾向にある

第一世代の抗ヒスタミン薬(ペリアクチン・ポララミン・セレスタミンなど)は副作用が多く、小児への使用はかなり慎重に行ったほうがよい旨を以前説明しました。 今回は、抗ヒスタミン薬とテオフィリンが、熱性けいれんの持続時間への影響を示した研究をみつ…

ジアゼパム(ダイアップ)の使用で、熱性けいれんの再発は予防できるのか?

熱性けいれんは生後6ヶ月〜5歳で比較的よく見られる疾患です。 詳しくはこちらに記載されていますので、参考にされてください; 今回はこちらの論文をピックアップしました。 ジアゼパム(ダイアップ)は熱性けいれんの再発予防でよく使用されています。 …

小児インフルエンザの臨床診断はあてにならない?

今回はこちらの論文をピックアップしました。インフルエンザの臨床診断の正確性について検討した論文です; 冬場になると、どこの病院もインフルエンザの患者さんで外来はパンク状態になります。 待ち時間が長くなる理由として、迅速検査にあります。 迅速検…

抗ヒスタミン薬や鼻づまりの薬は小児の中耳炎の予防に効果なし

今回はクラシックな論文をピックアップしました。 1979年にPediatricsで発表されたランダム化比較試験です。 研究の背景 中耳炎は6歳以下の小児に比較的頻回に起こる疾患です。治療法は軽症であれば鎮痛剤、中等症以上であれば抗生物質を使用するのが一般的…

インフルエンザの迅速検査で陰性と言われましたが、本当にインフルエンザじゃないですか?〜データと陰性的中率から考察する〜

前回、インフルエンザ迅速検査の感度は発熱から検査をするまでの時間で大きく変化することを説明してきました。 上の図を用いて説明してきたように、感度80%以上の状態で迅速検査を行いたい場合、最低でも24時間は経過してからのほうが良いと言えます。 ■ 感…

インフルエンザ迅速検査は発熱後何時間が適切かデータから読み解いてみた

前回、インフルエンザ迅速検査の感度・特異度について記載された論文の解説をしてきました。 恥ずかしながら、この論文を読む前までは 『インフルエンザ検査は発熱12時間以降にしましょう』 と平気で発言していました。 しかし、この論文を読んで、個人的に…

インフルエンザの迅速検査は発熱後24-48時間に!

今回の論文はこちら: 2011年のEuropean Journal of Pediatrics (欧州小児科学会の英文誌)に掲載された論文です。(スイスで行われた研究のようです) なかには『お子さんのインフルエンザの検査は、発症後〇〇時間くらい経過していないと検査できません』…

抗インフルエンザ薬は結局どれを使用すればよいのか?〜タミフル vs. リレンザ vs. イナビル vs. ラピアクタの比較試験〜

今回はこちらの論文をピックアップしました。 小児の抗インフルエンザ薬(Neuraminidase阻害薬)4剤を比較した日本発のRCTです。 抗インフルエンザ薬(Neuraminidase阻害薬)で小児によく使用されるのは; タミフル(Oseltamivir;内服薬):2001年に承認 …

離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防する

今回の論文は、国立成育医療研究センターから。食物アレルギーは食物除去から、早期導入による予防へと変化しつつあります。 研究の背景 日本を含む先進国では、食物アレルギーの罹患率は高まっています。 ■ 極端な食品除去によるアレルギー発症予防の時代は…

こどもの風邪のホームケアと科学的根拠のある治療法

風邪について 『風邪(かぜ)』は医学用語で『急性上気道炎』といいます。 風邪の原因は、大半がウイルス感染です。 『ウイルスが原因なら、ウイルスをやっつける薬があれば治る』と理論的に考える方もいるでしょう。 しかし、ウイルスをやっつけられる薬は…

日本のマイコプラズマは9割が耐性菌

前回、こちらの記事で、風邪に抗生剤を処方する医師の傾向を説明してきました。 こちらの研究結果で分かったのは; 開業医は風邪に抗生剤を出す 時間外受診を担当する医師は抗生剤を出す 非小児科は小児に抗生剤を処方しがち でした。 ■ 抗生剤処方の教育を…

ロタウイルス胃腸炎とロタウイルスワクチンの全て

ロタウイルス胃腸炎は乳幼児に多い胃腸炎で、下痢・嘔吐・発熱などの症状が中心です。症状がひどい場合、脱水になって入院が必要になってしまうケースもあります。今回は、ロタウイルス胃腸炎とワクチンについて詳しく説明していきます。 まずはロタウイルス…

時間外受診・開業医・非小児科は、子供の風邪に抗生剤を処方する傾向がある

風邪に抗生物質は不要です 前回、こちらの記事で風邪に抗生物質が不要と説明してきました。簡単にまとめると: 風邪はウイルス感染がほとんど 抗生物質は細菌には効くが、ウイルスには効かない 風邪に抗生物質を使用するのは科学的根拠のない治療 やみくもに…

乳児死亡率の都道府県格差について考えたこと

都道府県による格差が戦前に近いレベル? 2017年6月に毎日新聞・Yahoo Newsの一覧にこちらの記事が掲載されていました: 『5歳未満の乳幼児の死亡率の都道府県格差が2000年前後から広がり、戦前に近いレベルになっていることが、国立成育医療研究…

英語教育は早ければ早いほど効果が大きいかもしれない

日本の英語教育の教育 ひと昔前は、英語教育は中学1年生からでした。 2011年頃から英語教育の開始時期は早まり小学5年生になっています。 さらには小学3年生から開始と、今後、徐々に低年齢から初めて行く流れとなっています。 『日本語の土台が出来てい…

受動喫煙は子供の健康に悪影響である根拠を示します

受動喫煙はこどもの健康に悪影響するのは明らか タバコによる健康被害といえば、肺疾患(肺癌や喘息)、心疾患、癌を思い浮かべる方が多いと思います。 『受動喫煙での健康被害って子供にも本当にあるの?』 と疑問がある方もいるようです。ですが、現実とし…

赤ちゃんの皮膚を保湿すれば、乳児湿疹は予防できる

保湿で乳児のアトピーは予防できるのか? 今回は『赤ちゃんの皮膚を保湿すれば、アトピーの発症を予防できるか?』という疑問に答えた研究を紹介します。 英語になってしまいますが、原著論文はこちらから参照できます: アトピー性皮膚炎の特徴 アトピー性…