ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気・育児〜

患者教育

新生児の敗血症ってなんですか?【生後1ヶ月未満の重症感染症】

以前、『生後3ヶ月未満の発熱は要注意』と説明しました。 生後3ヶ月未満の乳児・新生児は、免疫能が未熟であるため、重症化してしまうことがあります。 発熱した際には、注意深く様子をみる必要があるので、開業医ではなく入院できるレベルの病院へ受診し…

「知恵熱」と「生歯熱」について解説します

『うちの子、知恵熱でしょうか?』 夜の救急外来で、受診した子供の母に付き添ったおばあちゃんから、こう聞かれたのを今でも覚えています。 当時、私は小児科研修を始めたばかりで、恥ずかしながら『知恵熱』という単語を知りませんでした。 診察に付き添っ…

小児の血尿について解説します

『学校の検診で血尿を指摘されました』と受診されることがあります。 『血尿』とは、腎臓・尿管・膀胱のいずれかから出血して、尿に血液が混ざった状態をいいます。 血尿と聞くと恐ろしいイメージを持つ方が多いでしょうが、小児の場合は原因により様々でし…

小児の血便について解説します

『こどものうんちに赤いものが混じっていました』 と驚かれて受診されることがあります。 小児でも血便が出ることはありますが、原因はさまざまです。 少量の血便であれば重症でないことが多いですが、原因を検索する必要があります。 血便が出ていたら受診…

小児の風邪について詳しく解説します②:かぜの治療と受診の目安について

前回は風邪の原因、症状と合併症について解説してきました。 今回は風邪の治療について説明しようと思います。 対症療法について 『対症療法で様子をみましょう』 と外来で小児科医に説明されたことがあるかもしれません。 対症療法とは、症状に応じたお薬を…

小児の風邪について詳しく解説します①:原因・症状・合併症について

小児の風邪は乳幼児や学童を含め、最も多い病気です。 こどもが風邪を引くと登校・登園ができなくなりますし、保護者も仕事を休まなければいけなくなるケースも出てきます。 今回は2回にわたり、 風邪の原因 風邪の症状 風邪の治療 について解説していこう…

乳幼児の嘔吐について②:嘔吐の対処法・治療法について

前回は乳幼児の嘔吐の原因と受診の目安について解説してきました。 今回は、実際に嘔吐してしまったらどうすればいいのかを説明していこうと思います。 嘔吐した後、食事・水分はどうしたら良いですか? まず、脱水があるか否かで対処法が異なります。 嘔吐…

小児の腰痛・背部痛について

腰痛・背部痛は小児でもよく見かけます 腰痛・背部痛と聞くと、大人や年配者の方が抱える悩みと思われがちですが、実は小児でも認めます。 およそ50%の小児は18〜20歳までに一度は腰痛・背部痛を患うと言われています。 痛みの性状は、鋭い痛みであったり、…

小児の便秘について②:便秘の原因、便秘になりやすい環境について

前回は『どこから便秘というのか?』というテーマについて解説してきました。 便秘の境界線はあいまいですが、大まかに 普段より排便の回数が減った 排便に伴う苦痛・痛みがある がよい指標になると説明しました。 今回は、こどもの便秘の原因と便秘になりや…

こどもの心房中隔欠損症について

心臓の構造と心房中隔欠損症について 心臓は「左心房・右心房・左心室・右心室」の4つの部屋があります。 そして、左心房と右心房の間には心房中隔が、左心室と右心室の間には心室中隔があります。 心房中隔欠損では、上の図のように心房中隔というしきりに…

小児の片頭痛について簡単に解説します

片頭痛は頭痛の一種です。 最初は軽い痛みで始まりますが、徐々に痛みが増悪していく点が特徴的です。 片頭痛の症状について 片頭痛の症状は年齢によって異なり; 乳幼児:嘔吐、不機嫌、活動性の低下 6〜10歳:嘔吐、腹痛、顔が真っ青になる、頭全体の痛み…

副鼻腔炎について簡単に解説をします

副鼻腔炎とは、副鼻腔という鼻の奥にある空洞に炎症が起きた状態をいいます。 ▪️ 副鼻腔ってどこですか? 副鼻腔は; 前頭洞 蝶形骨洞 篩骨洞 上顎洞 の4つから構成されており、顔との位置関係は以下の図の通りです。 副鼻腔炎の症状について 副鼻腔炎の症…

かぜは自然に治るという感覚も育てましょう

『咳はどのくらいで治りますか?』 『鼻水はどのくらいかかりますか?』 『熱は明日には下がりますか?』 と外来でよく質問されます。 実は、こんな簡単な質問にすら小児科医として答えるのに窮してしまう瞬間があります。 『平均的』な期間ならお答えできま…

こどもの肺炎について簡単に解説します

肺炎と聞くと何となくイメージがつくでしょうが、それでも私たち小児科医と保護者の方々では理解や知識は異なると思います。 今回は、肺炎について、小児科医なりに解説をしていこうと思います。 肺炎とは肺の感染症 肺炎はその名の通り「肺に感染が起きて炎…

小児のてんかんって何ですか?

てんかんって何ですか? てんかんは、けいれんを繰り返す状態を言います。 けいれんは、脳の電気活動の異常でして、いわば脳の中に嵐が起きた状態です。この時、意識はなくなり、異常な行動をとったり、手足が小刻みに震えることがあります。 てんかんはどの…

こどもの頭痛について簡単に解説します

『こどもが頭を痛がっていて心配です』と受診されることがあります。 実は、こどもの頭痛は非常に多いです。 例えば、体調を悪くした時は、頭痛も一緒に出てくることがあります。 今回は頭痛について簡単に解説します。 こどもに多い頭痛は2種類 こどもに多…

小児の心膜炎について説明します

心膜炎は稀な疾患ですが、非常に重篤な状態になるケースがあるので、小児科医が外来で細心の注意を払っている疾患です。 『心膜炎(しんまくえん)』と言われても、イメージが湧きづらいと思いますので、今回は簡単に説明をしてみようと思います。 心膜炎 = …

背が低いのですが、大丈夫でしょうか?

『身長が低くて心配です。何か病気でしょうか?』 と外来で相談されることが時々あります。 特に4-5歳〜10台までのお子さんの保護者から相談が多い傾向にあります。 身長・体重計測して医師に診てもらえる健診は3歳で終わり、その後は相談先があまりないの…

こどもの咳の原因や、受診の目安について

今回はこどもの咳について、広く浅く説明していきましょう。 なぜ咳をするのですか? 咳は空気の通り道をきれいにしたり、異物が気管支や肺に入らないように起こる反射です。 ▪️ 乾いた咳と湿った咳 ひょっとしたら小児科医から『咳は乾いていますか?』と質…

夢遊病ってなんですか?【こどもの睡眠】

はじめに:夢遊病とは? 夢遊病の症状について ▪️ 夢遊病が起こりやすい時間はありますか? ▪️ 夢遊病でよくみる症状 夢遊病になったら検査は必要でしょうか? 夢遊病の対処法を教えてください ▪️ 事故予防が大事 ▪️ 無理にでも起こした方がよいでしょうか?…

こどもの肥満について解説します 〜基本編〜

こどもの肥満は健康に悪影響 こどもの肥満も健康に悪影響でして、例えば 肝疾患(脂肪肝など) 喘息 高血圧 膝痛・腰痛 睡眠時無呼吸 の原因になると言われています。 ▪️ 10代の肥満は、大人になってからも悪影響が続きます 特に10代で肥満となると、成人後…

発達障害って何ですか?

▪️ こどもの興味・成長・発達は人それぞれ こどもの興味の対象は、人それぞれです。 子どもたちは、生まれながらにして、それぞれが異なる個性があります。 学習するスピードや興味の対象も子供によって大きく違いがあります。 ある子にとって得意なことは、…

2歳児の発達の目安と育児のアドバイス

『2歳の子って、このくらい(の発達)でしょうか?』 と外来で質問を受けることがあります。 1歳半健診の次は3歳健診で、1年半のインターバルが空くため、色々と疑問が湧いて外来で質問されることがあります。 今回は、2歳児の発達の目安を説明してみま…

こどもの猫背(後湾)が気になります

『こどもの姿勢が悪くて心配です』 と時々、外来で相談されます。 今回は、こどもの姿勢(特に猫背)について説明していきます。 後弯 = 猫背(ねこぜ) 背骨が前後方向で過度に曲がっている状態を後弯(kyphosis)といいます。 後弯を平たくいうと猫背のこ…

四種混合ワクチンの『四種(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)』について解説します

四種混合ワクチンのポイント ● "四種" とは、"ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ"です ● この四種類の病気にかかると、重症化する危険性があります ● ワクチンで予防可能です そもそも四種混合って何ですか? 四種混合(DPT-IPV) ワクチンですが、その名の…

ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから

ハチミツにはボツリヌス菌がいるため注意が必要です。 『ハチミツを与えるのは1歳すぎてから』 と言われている理由について、詳しく解説します。 乳児ボツリヌス症を起こりやすい月齢 乳児ボツリヌス症になる年齢分布は非常に特徴的です。 乳児ボツリヌス症…

インフルエンザ桿菌(Hib:ヒブ)とHibワクチンについて解説します

Hib(ヒブ)って何ですか? Hib (ヒブ)はインフルエンザ桿菌 (Hemophils influenza type b)の略語で、頭文字のHibをとってヒブと言っています。 ▪️ ヒブ感染症のポイント まず、ヒブ感染症のポイントを説明します。 重要なポイントは以下の4点です: "ヒブ…

【こどもの検査の適応】 頭をぶつけました。CTかレントゲンを撮影してください。 【小児の頭部外傷】

『頭をぶつけてしまいました』 『心配なので、画像検査をしてください』 それほど多い相談ではありませんが、時々、このように心配されて受診されることがあります。 私たち小児科医は、受傷の程度、本人の症状や意識、神経学的な診察をもとに画像検査の適応…

【小児の感染症】こどもの麻疹(はしか)について解説します【ワクチン対象疾患】

麻疹(はしか)のまとめ 麻疹ウイルスの空気感染によっておこります。 発熱、咳、鼻水、発疹を特徴としています。 予防接種を受けないと、多くの人がかかる病気です。 肺炎、中耳炎、脳炎といった合併症があります。 1歳になったら早めにワクチンを受けるよ…

家庭環境を見直して、こどもの怪我を予防する【小児の事故予防】

『つたい歩きしている時に転んで、机の角に頭をぶつけてしまいました』 『おもちゃを飲んでしまったかもしれません』 と外来受診される患者さんは常にいます。 はいはいしたり、つたい歩きが始まると、見えないところにすぐに移動してしまいます。時には親の…