ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気と単なる雑記〜

母乳はいつまで続けるべきかメリットとデメリットを解説します

母乳栄養について 一般論ですが、母乳栄養は人工栄養より優れています。 現に世界保健機関 (WHO) から『母乳栄養は途上国の乳児死亡率を改善させる』と報告されました。 また、途上国のみでなく、母乳の有効性は、先進国でも再認識されています。 卒乳ってな…

トイレ・トレーニングとオムツが外せる時期について

トイレ・トレーニングはいつから始めたらよい? 『トイレ・トレーニングをいつから始めたら良いですか?』と外来で質問されることが、よくあります。 実は、トイレ・トレーニングを始めるにベストなタイミングはよく分かっていません。このため、大体の目安…

離乳食の開始時期を小児科医なりに考える

離乳食は生後5〜6ヶ月からです 母乳や粉ミルクは、非常に重要な栄養源です。 ですが、体が大きくなるにつれて、徐々に栄養が足りなくなってきます。 このやめ、離乳食が必要になってきます。 ■ 離乳食の開始が生後5〜6ヶ月からの理由 離乳食を生後5〜6…

耳垢はとってもらったほうが良いですか?

耳垢(みみあか)のポイント 耳垢は古い表皮、皮脂、ほこりからできます 掃除は月に数回で十分です、無理にとらなくても良いです 耳の穴付近の耳垢をやさしくとってあげましょう そもそも『耳垢(みみあか)』ってなんですか? 耳垢は; 耳の通り道(外耳道…

3歳児健診のチェックポイント

3歳児ですと、身体的・精神的にかなり発達が進んできます。 体型も乳児体型から幼児体型に変化します。 筋肉・骨格も徐々にしっかりしてきます。 言葉の発達も進み、自我の確立が芽生え、社会性も身につけます。 日常生活でも、食事や排泄で自立してきます…

1歳半健診の後に読むとよいでしょう

小児科医が診る身体発達のポイント 1歳6ヶ月健診の時は、全身を診察するのが基本ですが、頭部・歯・腹部・脚を入念に診るのが一般的です。 ■ 頭部について 1歳半になると、大泉門が閉鎖しますので、頭のてっぺんより前側を触って確認します。 ■ 歯につい…

【書評】ネイティブに笑われないクールイングリッシュ(著者:サマー・レイン)

ネイティブに笑われないクールイングリッシュ ―日本人の9割はダサい英語を話している (impress QuickBooks) 作者: サマー・レイン 出版社/メーカー: インプレス 発売日: 2016/10/21 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 日本人の9割はダサい英語…

9〜10ヶ月健診後に読むとよいでしょう

生後9〜10ヶ月 「はいはい」「つかまり立ち」が始まるでしょう。徐々に上手になり、スピードも早くなっていきます。 中には、腰を上げて膝を浮かせ、足を床につけた『高ばい』をする子もいます。 椅子やテーブルをつかみ、つかまり立ちも始まります。 最…

6〜7ヶ月健診はここを診ています

乳児では、運動発達と精神発達はほぼ比例しています。 運動発達の評価から、精神発達を推測するため、運動機能の評価が重要です。 粗大運動の発達 6〜7ヶ月健診では、満6ヶ月以上8ヶ月未満の乳児が対象です。 粗大運動の発達は個人差が大きい時期ですの…

3〜4ヶ月健診はここを診ています

3〜4ヶ月健診の役割 健常な乳児は、運動・神経・精神の発達は並行しています。 乳児では、特に運動発達のチェックが重要となります。3ヶ月健診では、適切に栄養が取れて、その結果、運動発達が適切かどうかを確認しています。 赤ちゃんの姿勢をみています…

【食レポ】浅草の今半本店(仲見世通り)のすき焼き

浅草の今半本店(仲見世通り) 先日、夏バテ解消のために家族で浅草の仲見世通りにある今半本店にいってきました。 今半本店は明治28年から創業している『すき焼きの老舗』として超有名です。今回は、ちょっとリッチに奥座敷の個室を予約しましたが、とて…

母斑(皮膚のあざ)とレーザー治療について

『母斑』ってなんですか? 『母斑』は皮膚の奇形を表す言葉です。 遺伝的または胎生的な要因で、神経堤に生じた発生異常(異常増殖)が原因で、皮膚のメラニン細胞や神経のシュワン細胞に分化できなかった、分化能力不充分な細胞によって皮膚の奇形が生じて…

扁桃腺の肥大と手術適応について

扁桃腺・アデノイドってなに? 扁桃腺は喉に複数あります。それぞれ、口蓋扁桃やアデノイド(咽頭扁桃)といわれています。 扁桃腺の役割は、細菌感染から体を守ることです。扁桃腺は細菌やウイルスを処理する臓器ですので、感染を起こしやすい臓器といえま…

赤ちゃんの鼻水、鼻づまりは、『ママ鼻水トッテ』の使用をオススメしてます

ママ鼻水トッテ:耳鼻科医が考案した鼻すい器 丹平製薬 ママ鼻水トッテ (0歳から対象) 耳鼻科の先生が考案した、お口で吸うタイプの鼻すい器 出版社/メーカー: 丹平製薬 メディア: Baby Product 購入: 13人 クリック: 41回 この商品を含むブログ (29件) を見…

小児科医が解説するりんご病(伝染性紅斑)

リンゴ病(伝染性紅斑)の原因って!? 『りんご病』は医学用語で『伝染性紅斑』といいます。 伝染性紅斑は、ほっぺが『リンゴのように赤くなる』ため、りんご病といわれています。 ■ 伝染性紅斑の原因はウイルス感染ですよ 伝染性紅斑の原因は『パルボウイ…

伝染性単核球症(EBウイルス)を解説します

伝染性単核球症ってなんですか? 伝染性単核球症は「EBウイルス」に感染すると起こります。 EBはEpstein-Barrという名前の頭文字でEBウイルスといい、 ヒトヘルペスウイルスに分類されています。 ■ EBウイルスの感染経路 EBウイルスは、唾液から感染すること…

新生児・乳児・幼児の睡眠について〜夜泣きやいびき〜

睡眠サイクルの確立は生後1年で徐々に 生まれたばかりの新生児の体の機能は、とても不安定です。 徐々にですが、体の機能は成熟してきて、体温の調整、授乳、嚥下が発達するのと並行して、睡眠サイクルが確立してきます。 おおよそですが、生後1年で徐々に…

【書評】本気で成功したい人のための「中長期投資マニュアル」 ー中級者向けー (著者:piculさん)

「本気で成功したい人のための「中長期投資マニュアル」 ー中級者向けー」がすごく良かったので、紹介します。 本気で成功したい人のための「中長期投資マニュアル」 ー中級者向けー 作者: picul 発売日: 2017/03/13 メディア: Kindle版 この商品を含むブロ…

こどもの喉のかぜを解説します

急性咽頭炎ってなに? 『喉(のど)の風邪』は医学用語で『急性咽頭炎』といいます。 急性咽頭炎は、のどの粘膜やリンパ組織に生じる急性の炎症で、原因はほとんどウイルス感染です。 細菌感染で多いのは溶連菌ですが、全体の10%〜20%程度です。 年長児ではE…

赤ちゃんの薄毛って大丈夫ですか?

赤ちゃんの薄毛が心配 『うちの子、髪の毛もっと生えてきますよね?』 と健診の時によく質問されます。1ヶ月健診から9〜10ヶ月健診での質問が多いです。 ■ 『心配しすぎないでね』と返事してます 結論からいうと; 『1歳くらいまでに、徐々に髪の毛の量…

発熱と解熱薬について小児科医なりに語ってみる

熱恐怖症 『こどもが発熱した。どうしよう…』と子供の発熱でパニックになる保護者は多いです。 このように『発熱』を過剰に恐れることを『熱恐怖症』と呼んでいます。小児科医でも『熱恐怖症』の方がいます。 ■ 発熱=有害ではありませんよ とあるアンケート…

こどもの胃腸炎について解説します

ウイルス性胃腸炎のポイント 急性胃腸炎は、どのウイルスにかかっても治療法は変わりません 胃腸炎には特効薬はないです 脱水にならないように、適切な水分・塩分・糖分を補給しましょう 急性性胃腸炎の原因 急性胃腸炎は、ウイルス感染が原因のことがほとん…

こどもの血液型は調べたほうがよいですか?

血液型を知りたい理由 『こどもの血液型を知りたいんです』 と外来に相談にくることが、数ヶ月に数人くらいいます。受診される理由は様々でして: 保育園・幼稚園・小学校に提出する書類に記入欄がある 輸血が必要など、万が一に備えたい 単純な興味 などが…

母乳育児:赤ちゃん・お母さんが受けるメリットを解説します

母乳について語ります 今回は、母乳栄養が赤ちゃんに与えるメリット、母に与えるメリットの双方を説明していきます。 母乳にはタンパク質・脂質・ビタミン・糖質など、赤ちゃんの成長・発達に欠かせない栄養素が多数含まれています。これらだけでなく、粉ミ…

おたふく風邪とワクチンについて解説します

おたふくかぜのポイント おたふくかぜに関するまとめ: おたふくかぜはムンプスウイルスの感染で起こります 顎に痛みを伴う腫れがでます ワクチンで予防可能な感染症です 合併症は精巣炎や髄膜炎があります おたふくかぜの原因と特徴 『おたふくかぜ』は、医…

こどもの薬の飲ませ方と相性のよい食品を紹介します

粉薬の飲ませ方について 粉薬の飲ませ方ですが、よく用いる方法は; 袋から粉薬を出し、 水分を1〜3滴をふくませ粉薬で小さな団子を作り 赤ちゃんの口の中(上あごや頬の内側)にこすりつけ ミルクやお茶を与えて、薬を飲ませる の手順で行います。 ドライ…

こどもが嘔吐や下痢をした時の、水分と食事摂取について

嘔吐・下痢時の水分摂取法のまとめ 吐いた後は、1〜2時間くらいは水分・食事摂取を我慢しましょう 最初はスプーン1杯程度の少量から開始しましょう 15分程度の間隔をあけながら、ゆっくりと水分を与えるようにしてください お茶・水よりもOS-1などの経口補…

こどものカゼの経過を解説します

風邪(かぜ)のポイント 分かっているようで分かっていない、こどもの風邪についてまとめてみました; 風邪はくしゃみ、鼻水、咳、喉の痛み、発熱などが特徴です 原因はウイルス感染症がほとんどで、抗生剤は効きません 風邪の特効薬はありません 安静と対症…

食物アレルギーとアレルギー検査について説明します

食物アレルギーについて 食物アレルギーのポイントですが; 食物に対して身体が過敏に反応することをいいます 皮膚・呼吸器・目・腹などに、様々な症状がでます 特定の食物を食べた後に症状が起こって診断します 血液検査の結果のみで、食物アレルギーの診断…

小児科医が語る滲出性中耳炎のまとめ

滲出性中耳炎のポイント まずは、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎のポイントです; 滲出性中耳炎は『耳の中に水が溜まっている状態』です 自然軽快が多いので、無治療でいいこともあります 何か薬を飲んで、劇的に良くなるわけではありません 聴力障害や言語…

小児科医が解説する乳児突然死症候群(SIDS)

乳児突然死症候群 (SIDS)って何ですか? まずは乳児突然死症候群の定義ですが; それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない,原則として1歳未満の児に突然の死をもたら…

小児科医が解説するこどもの便秘

こどもの便秘のポイント こどもの便秘の治療のポイントは、こちらです; 便秘とは「便が溜まり排出できない状態」です 便秘は生活習慣と密接につながっています 治療は、浣腸、坐薬、飲み薬、生活習慣の指導です 1日1回以上の排便が理想的です 便秘症って…

赤ちゃんがよくミルクを吐きますが、大丈夫ですか?

母乳やミルクをよく吐きます... 『赤ちゃんが、よく母乳やミルクを吐きます。先生、大丈夫でしょうか?』 1ヶ月健診や3ヶ月健診で、お母さんからこの質問を非常によくされます。私の場合ですが、退院前にも保護者には、このことをよ〜く説明しているのです…

アトピー性皮膚炎の子供が、日常生活で気をつけること

今回は、子供がアトピー性皮膚炎になってしまった場合に、日常生活で気をつけることを解説していきます。 悪化因子を避けましょう アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリアが弱くなっています。 弱くなった皮膚のバリアから、アレルゲン(アレルギーの原因物質)…

こどものピロリ菌について解説します

ピロリ菌について 『ピロリ菌』の正式名称は『ヘリコバクター・ピロリ』です。 ピロリ菌に感染すると、胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃癌の原因になることが、これまでの研究から分かっています。 ピロリ菌に感染の感染率について 過去の研究からですと、日…

小児科医が解説するクループ

クループ症候群について クループ症候群は、別名「喉頭気管炎」といわれています。 このクループ症候群は、風邪がきっかけで、喉の奥にある空気の通り道が狭くなり、空気が十分吸い込めなくなった状態をいいます。 独特の咳(犬の吠える咳、オットセイの鳴き…

乳幼児の手を引っ張ると肘内障になりますよ

肘内障のポイント 肘内障は、乳幼児が手を引っ張られるとなります 手に痛みを訴え、動かそうとしないことが多いです 治療は、徒手整復が一般的です 再発は5%くらいで起こります 肘内障ってなんですか? 肘内障は、肘の関節の亜脱臼です。1歳〜3歳の男児…

こどもの風邪のホームケアと科学的根拠のある治療法

風邪について 『風邪(かぜ)』は医学用語で『急性上気道炎』といいます。風邪の原因は、大半がウイルス感染です。 ウイルスが原因であるため、ウイルスをやっつける薬があれば治る、と理論的には考えられるでしょう。 しかしながら、ウイルスをやっつけられ…

こどもが急に発熱した時の対処法のまとめ

『急に熱が出てしまった』場合の対処法のポイントです; 生後3ヶ月未満の発熱は、入院できる医療機関に速やかに受診しましょう おもちゃで遊べて、顔色がよければ深夜に受診しなくてよいです 氷嚢・保冷剤は、首、脇の下、太ももの内側にあてるとよいでしょ…

小児科医が解説するRSウイルス

RSウイルスって何ですか? 『RSウイルス』はどこかで聞いた、という方が多いのではないでしょうか。RSの言葉の由来ですが、RSは『Respiratpry Syncytial』 の略で: "Respiratory" は呼吸器 "Syncytial"は合胞体 という意味で、この頭文字をとってRSと読んで…

子連れ旅行記(箱根編):湯葉丼・直吉とホテルおかだのレビュー

先日、連休を利用して箱根に行ってきました。家族サービスと休養をかねて、体によさそうな豆腐を食べて、温泉に入って、あとは何にもしない、という旅でしたが、これがすごく良かったので詳しく書いておきます。 北千住から箱根まで1本でいけた まずは東京…

生後3ヶ月未満で発熱したら必ず大きな病院へ受診しましょう

生後3ヶ月未満の発熱は要注意です 研修医の先生達に、生後3ヶ月未満の発熱は要注意、と口を酸っぱくして指導しています。一般の方には少し極端と思われるかもしれませんが、『生後3ヶ月未満の小児の発熱は、敗血症の可能性があるので、入院を念頭に診察し…

子供の熱中症を解説します

熱中症って何ですか? ちょっと堅苦しいですが、熱中症とは 『高温環境下における適応障害でおこる状態を総称したもの』 と医学用語で定義されています。 これでは分かりづらいので、もう少し噛み砕いて説明しましょう。まず、人間は気温の高い場所にいくと…

マイコプラズマ感染症について

マイコプラズマ感染症まとめ マイコプラズマは細菌で、風邪、肺炎、気管支炎を起こします 5歳〜12歳の学童でよく起こります 5%くらいの感染者が肺炎になります 治療には抗生物質が使用されます 軽症であれば、抗生物質は必要ありませんよ マイコプラズ…

日本のマイコプラズマは9割が耐性菌だった!?

前回、こちらの記事で、風邪に抗生剤を処方する医師の傾向を説明してきました。 こちらの研究結果で分かったのは; 開業医は風邪に抗生剤を出す 時間外受診を担当する医師は抗生剤を出す 非小児科は小児に抗生剤を処方しがち でした。 ■ 抗生剤処方の教育を…

小児科医が解説する1ヶ月健診

1ヶ月健診は何のために? 新生児にとって、生後1ヶ月は劇的な変化があります。それは、妊娠中は子宮の中で母に守られ完全に依存していた状態から、子宮の外に出て呼吸・栄養摂取を自力で行うようになるからです。 1ヶ月健診では、出産後の環境の変化にき…

【書評】「学力」の経済学(中室牧子)

『いまさら感』がすごく満載ですが、最近になって『「学力」の経済学(中室牧子)』を読んだので、書評を書きました。 「学力」の経済学 作者: 中室牧子 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日: 2015/06/17 メディア: Kindle版 この商品…

ステロイド外用薬の疑問にお答えします

『子供にステロイドの塗り薬を使って大丈夫でしょうか?』『ステロイドを使うと怖い副作用がでるのでしょうか?』 と保護者の方からよく質問されます。 おそらく、ステロイドに関して様々な情報が溢れているのが原因でしょう。 ■ ステロイドに悪いイメージが…

ステロイド軟膏の使い方のポイント

ステロイド軟膏の使い方まとめ ステロイド軟膏は湿疹に、保湿剤は乾燥肌に使う ステロイド軟膏は皮膚の炎症を抑えます 適切に使えば、高い効果を得られ、副作用は少ないです 最初はしっかり塗って、徐々に塗る回数を減らしましょう ステロイド軟膏と保湿剤の…

アトピー性皮膚炎について解説します

アトピー性皮膚炎のポイント アトピー性皮膚炎は『慢性的なかゆみを伴う湿疹』です 治療には長期間かかります 治療の基本は、肌の清潔・保湿とステロイド軟膏です ステロイド軟膏は正しく使えば怖くありません アトピー性皮膚炎とは? アトピー性皮膚炎とは…