ドクター・キッド

〜小児科医が解説する子供の健康・病気・育児〜

小児肥満の分類について 〜原発性肥満と二次性肥満があります〜

小児の肥満について、これまでに様々な記事を書いてきました。 こどもの肥満は将来の糖尿病や心疾患のリスクになりえるので、早い時期からの対応が望ましいのですが、なかなか一筋縄ではいきません。 www.dr-kid.net 小児肥満について「どこから肥満というか…

受動喫煙によってRSウイルス感染が重症化するかもしれない

こどもの健康にも受動喫煙が悪影響するのは本当? と聞かれることが未だにあります。 受動喫煙がこどもの健康に悪影響である科学的根拠はこちらにまとめています。 www.dr-kid.net 今回は、これらに加えて、乳児に多いRSウイルス感染症の重症化との関連を示…

【小児のかぜ】よく処方される感冒薬の科学的根拠【まとめ】

前回までに、メタ解析の結果を中心に、抗ヒスタミン薬、去痰薬、咳止め、ハチミツ、気管支拡張薬、解熱剤、整腸剤、抗生物質(抗菌薬)の有効性を検証してきました。 今回は、これらの結果をまとめ、簡単に説明していければと思います。 小児のかぜ薬の科学…

【因果推論】交絡と交絡因子について【シンプソンのパラドックスの1例】

『交絡因子ってなんですか?交絡ってなんですか?』 『観察研究では、そのまま治療群と非治療群を解析してはいけないのですか?』 『交絡ってバイアスですか?』 『シンプソンのパラドックス(Simpson's Paradox)って何ですか?』 などなど、交絡(Confound…

小児肥満とメタボリックシンドロームについて

小児の肥満について、これまでに様々な記事を書いてきました。 こどもの肥満は将来の糖尿病や心疾患のリスクになりえるので、早い時期からの対応が望ましいのですが、なかなか一筋縄ではいきません。 www.dr-kid.net 小児肥満について「どこから肥満というか…

こどもの発達の遅れの分類や特徴ついて【簡単にまとめてみました】

以前、発達障害について、こちらで簡単にまとめてきました。 脳には様々な機能があります。 その機能の一部が障害されてしまうと、様々な症状が現れることがあります。 例えば; 運動機能の障害:脳性麻痺 認知機能の障害:精神発達遅滞 社会性の障害:発達…

【小児のかぜ】整腸剤と抗菌薬の科学的根拠について【系統的レビュー】

前回までに、メタ解析の結果を中心に、抗ヒスタミン薬、去痰薬、咳止め、ハチミツ、気管支拡張薬、解熱剤のの有効性を検証してきました。 今回は、 整腸剤 制吐剤 抗生物質(抗菌薬) について、簡単に説明していければと思います。 整腸剤について 整腸剤と…

【患者相談】粉ミルクを使う時、飲ませ方、必要な道具について教えてください【お答えします】

『完全母乳栄養をお勧めします』 『出産すれば、母乳は必ずでますから』 と言う人がいます。確かに母乳のメリットが大きいので、このような発言をしているのでしょう。 その一方で、完全母乳栄養に固執するあまり、赤ちゃんが十分な体重増加をできていなかっ…

時間外受診した患者に冊子を使用して説明すれば、抗菌薬の処方率や再受診率は減らせるのか?【ITT解析とPer Protocol解析の実例】

今回はこちらの論文をピックアップしました。 Booklet for Childhood Fever in Out-of-Hours Primary Care: A Cluster-Randomized Controlled Trial 発熱などで小児科外来に受診すると、病気の説明書のプリントを貰うことがあると思います。 研究の背景 発熱…

【論文のまとめ】熱性けいれんと小児の薬について【解熱薬、抗けいれん薬、抗ヒスタミン薬、テオフィリン】

日本は熱性けいれんを起こすこどもが多く、小児のおよそ7〜8%くらいが熱性けいれんを起こすといわれています。 解熱薬 抗けいれん薬(ジアゼパム(ダイアップ®︎)) 抗ヒスタミン薬 キサンチン製剤(テオフィリン) などは、よく熱性けいれんの時に議論に…

第1回:原因と結果、反事実、因果関係について 〜Modern Epidemiologyを紐解く〜

原因と結果(効果)について 「それって、因果関係があるの?」 「この問題の因果関係は証明されていない」 など、普段の何気ない会話で「因果関係」という言葉が使われていることがあります。 確かに「因果関係」といわれると、もっともらしく聞こえますし…

【小児のかぜ】解熱薬と気管支拡張薬の科学的根拠について【系統的レビュー】

前回、メタ解析の結果を中心い、抗ヒスタミン薬、去痰薬、咳止め、ハチミツの有効性を検証してきました。 www.dr-kid.net まとめると 抗ヒスタミン薬の有益性はほぼなし 去痰薬は咳を多少短くするかも 咳止めとハチミツは咳と睡眠の質を改善させるかも(ただ…

幼児(3〜4歳)からできる歯の健康づくり【むし歯予防】

前回は乳幼児の歯磨きについて解説してきました。 今回は、もう少し対象年齢をあげて、3−4歳からできる歯の健康づくりについて、説明していこうと思います。 3歳頃の歯について ▪️ 乳歯の役割ってなんですか? 歯・口の中の異常について ▪️むし歯は年齢と…

運動発達の段階で分けた、起こりやすいこどもの事故について【乳幼児の事故予防】

不慮の事故について 新生児期から自動車にはチャイルドシートが必要ですよ ▪️ 出産前からチャイルドシートを準備 はいはいが始まる前の事故 ▪️ 窒息について ▪️ 転落について はいはいが始まってから ▪️ 誤飲と窒息について ▪️ やけどについて ▪️ 転落や頭部…

【Choosing Wisely】アメリカ小児科学会が提唱する賢い医療の選択【抗菌薬の適正使用について】

前回、こちらの記事で『Choosing wisely(賢い選択)』の概念について、簡単に説明させていただきました。 www.dr-kid.net この1つに抗菌薬の適正使用があります。 抗菌薬の適正使用は普遍的な問題で、特に日本は海外より深刻な状況にあります。 喉の痛み、…

【論文】ビタミンKの予防投与を拒否する因子の検討

今回はこちらの記事をピックアップしました。ここ最近の日本でも話題になることがあるビタミンKの拒否について解析した論文です。 アメリカ小児科学会(AAP)から出版されている雑誌に掲載されています。 前回、こちらの記事でビタミンKを投与する医学的な理…

【新生児】赤ちゃんのおむつ替えとお尻ケア

おむつには紙と布があり、どちらを利用していただいても構いません。 ほとんどのご家庭は紙おむつを選択しています。 中には、 排便・排尿の多い新生児期は洗濯の手間がいらない紙おむつ 回数が少なくなってきたら布おむつ と使い分けているご家庭もあります…

【最終回】システマティック・レビューとメタ解析について 〜出版バイアス・連続変数の検定〜

前回まで、メタ解析の考え方、手法などを8回に分けて説明してきました。 こちらの論文を用いて、メタ解析を実際に行ってきました。 前々回は、固定効果とランダム効果、Mantel-Haenzel法とInverse-variance法を用いて、実際にメタ解析を行いました。 www.dr…

【新生児】季節別にみた赤ちゃんの生活環境【夏 vs. 冬】

前回、赤ちゃんを迎える環境について簡単に説明してきました。 具体的には、 適度な温度と湿度 静かな部屋 衣類や布団 について解説しました。 赤ちゃんの環境として、夏と冬で異なりますので、もう少し情報を付け加えようと思います。 夏場の生活環境につい…

むし歯予防としての水道水のフッ素添加について② 〜急性と慢性の副作用〜

先進国を含め、むし歯は小児の公衆衛生上の重要な問題です。 前回は、むし歯予防として水道水へのフッ素添加(Fluoridization)について解説してきました。 この政策の有効性は過去の研究で証明されていますが、実際に水道水にフッ素添加をするか否かは、各…

むし歯予防としてのフッ素添加について① 〜国による政策の違いをメインに〜

先進国を含め、むし歯は小児の公衆衛生上の重要な問題です。 およそ60〜90%の小児は、成人するまでにむし歯を経験すると言われています。 www.nature.com フッ素はむし歯予防に非常に重要です。 *注:私は中立的な立場でこちらの記事を記載しています。 水道…

【新生児】赤ちゃんの生活環境について【部屋・衣類・寝具】

出産後5日前後で赤ちゃんと一緒に退院することが多いですが、退院直前に「赤ちゃんはどのような生活環境にしたらよいですか?」と質問を受けることがあります。 生活環境とは、具体的には 部屋の温度や湿度 騒音の対策 衣類(何を着せるか) 寝具(赤ちゃん…

【まとめ】月齢・年齢別にみた、こどもの言葉と運動の発達

『うちの子供の発達は正常でしょうか?』 『小児の発達の目安を教えてください』 『月齢や年齢でどのくらい発達は異なりますか?』 など、健診などをきっかけに様々な質問を受けることがあります。 こどもは生まれてから、保護者をはじめとした周囲の人々や…

【小児のかぜ】こどものかぜ薬の有効性を系統的レビュー①【咳止め・鼻水止め・痰切り】

『こどものかぜ薬って必要ですか?』 『小児には、どの感冒薬に有効性がありますか?』 『咳止めを飲んだら早く治りますか?』 『鼻水を止めてください』 など、こどものかぜと薬には、切っても切れない関係があります。果たして、これらの薬の有効性をご存…

システマティック・レビューとメタ解析について⑩ 〜異質性(Heterogeneity)を考慮する〜

前回まで、メタ解析の考え方、手法などを8回に分けて説明してきました。 こちらの論文を用いて、メタ解析を実際に行ってきました。 こちらが前回の記事でして、固定効果とランダム効果を実際に行いました。 www.dr-kid.net こちらの解析結果では異質性が非…

【小児肥満】こどもの肥満の定義と問題点【肥満度・ローレル指数・Kaup指数・CDC/WHOの基準】

『どこからを小児の肥満といいますか?』 『こどもの肥満の基準について教えてください』 『小児の肥満の基準は、国内(肥満度・ローレル指数・Kaup指数)と海外(CDC・WHOなど)で異なるのでしょうか?』 など、小児の肥満の定義や基準について疑問が思い浮…

【新生児】赤ちゃんの目・耳・鼻・臍(へそ)について【視力・聴力・鼻涙管閉塞・くしゃみ・臍肉芽腫・臍ヘルニア】

前回、新生児の体重について解説してきました。 www.dr-kid.net 今回は、新生児の目・耳・鼻・臍(へそ)について、みていきましょう。 新生児の目について 赤ちゃんの視力はまだ未熟です 新生児の鼻涙管閉塞について 新生児の耳について 赤ちゃんの聴力につ…

【新生児】赤ちゃんの体重について教えてください【生理的体重減少・低出生体重】

前回、新生児の呼吸・脈拍・体温や排泄について解説してきました。 www.dr-kid.net 今回は、新生児の体重について、みていきましょう。 新生児の体重の変化について 赤ちゃんの生理的な体重減少 赤ちゃんは平均すると約3,000 gで生まれてきます。 しかし、子…

【論文】医師が本来は効かないはずの治療を行う8つの理由

www.bmj.com 今回はBMJ誌に掲載されている、こちらの論説をピックアップしました。 少し私なりの解釈も加えながら、説明していこうと思います。 なかなかセンセーショナルなタイトルでして、 「なぜ医師は効かない治療を行うのか?」 です。論文中には8つの…

【肝炎ウイルス】E型肝炎について解説します

『肝炎ウイルスはA〜E型の5種類あります』 と保護者の方々に説明すると驚かれることがあります。世間一般に知られている肝炎ウイルスは、B型肝炎とC型肝炎です。もちろん、A型もD型もE型もあります。 前回はD型肝炎の診断と治療について、簡単に解説してき…